細部のいいまわしレベルで修正や追記をくりかえすうちに、やっぱり新しい小説を書いてみたくなった。
ここで実際に書くかはともかく、ここ数日で思いついたネタをいくつかメモしておく。タイトルはどれも仮題。
『悪童夢』――彼女は名探偵と名乗った。彼女は狂人だった。
(ジャンルはミステリー。たぶん十万字前後の長編サスペンスになる。オチと真相を思いついてから舞台を決めた)
バブル崩壊直後のニュータウン。その一角にあるマンション周辺で連続児童殺傷事件が発生する。性別を問わず児童が行方不明となっては、数日後にガソリンで焼かれたり、草刈り機でミンチにされて発見された。
二十年後、唯一の生存者だった男は、閑散としたニュータウンにまいもどる。トラウマによる記憶障害に悩まされながら、尊敬すべき親友や初恋の少女を殺した真犯人を探りあてるために。
しかしマンションに行くと、耐震偽装のため閉鎖され、廃墟となっていた。そして男の住んでいた一室には、ホームレスの女性が暮らしていた。
奇矯な言動のホームレスにふりまわされながら、男は二十年前の記憶をたどり、廃墟に残された痕跡から事件の真相を探っていく……
(ただ廃墟探訪するだけでなく、殺人者らしき影が男女の周囲をつきまとったり、新たな死体が発見されたり)
『カクヨム密室殺人事件』――書けない、読めない、伝わらない
(ジャンルはミステリー。五千字くらいの短編本格推理。トリックを先に考えて、今ここでなら楽屋ネタのほうが楽しんでもらえるだろうと思った)
高校文芸部の夏季合宿。周囲が遊びほうけるなかで、ひとり真面目に創作にはげんでいた部長が、合宿所の一室で死体となって発見される。
死体の周囲には、部長の書いていた原稿と、先輩の残した資料が一面に散乱していた。そして部屋には鍵がしっかりかけられ、窓側は複数が監視していた密室と判明する。
ファンタジー、SF、ラブコメ、アクション、ドラマ、ホラー、ミステリー、歴史……それぞれの部員の得意ジャンルが真犯人を指し示す?!
(ウソ。特定ロジックまでは考えていない)
『うちの80歳のシワシワババアは17歳のネットアイドル』――オイオイ
(ジャンルは現代ドラマ。小ネタ短編だが、長編化の方向性によってはSFジャンルへ移行)
いつのまにかうちの祖母がインターネットをつかいこなしていた。それはいい。
だが、教えた人間のせいでギャルっぽい文章でアメブロを書いて、ネットで流行のレシピをつくっては写メをあげているからといって、知らないところでネットアイドル視されているってどういうこと?
スカイプで会話していたのでバレルかと思いきや、声だけは若く張りがあって、誰も気づかない。むしろ落ちついた発言とブログ文体のギャップで人気が爆発。
祖母本人は普通に誤解を解こうとしたが、もりあがった周囲のなかに、勝手に祖母をアイドルとして売りこんで、後にひけなくなったヤツがいた。
さらに諸事情が重なり、ついに祖母が顔出し出演しなくてはならなくなった。そこで、CGキャラクターを祖母の動きに重ねあわせる技術をつかうことを思いついたのだけど……
(拡張現実をアバターとしてオフライン会話をオンライン化するSF設定と、その世界観のアイドルはどんなものかと考えて、とりあえず現代でも可能な設定にとどめてみた)
(ネットを教えた人間の写真を祖母がアップロードしていたため、ブログ管理者とかんちがいされたことがオチで判明)
(シワシワババアは差別的な表現。祖母をそういう視線で見ていた主人公が考えを改めていく物語なので使ったが、ここは批判されてもしかたない)