公式自主企画もいよいよ一週間を残すところとなりました。
カクヨム初の異色コンテストとなった第一回短歌俳句コンテスト後、悲喜交々、ちらほら聞こえた声に思うところがあったので、私なりにちょっと考えをまとめてみました。
一番気になったのは、受賞した作品群を見て
「やっぱり短歌は難しい。自分には理解できない書ける気がしない……しょぼん(・ω・`)」
と気落ちした多くの落選者の声でした。
分かる、分かるよ、そう思っちゃう気持ち。
で、改めて「一口に短歌を詠むと言っても、ばっくりと大きく四つの分岐点がある」という点を考慮したいな、と思ったのです。
私の考える、その分岐点というのが、
(1)「古典的」か「現代的」か
(2)「写実派」か「印象派(非写実派)」か
(3)技巧を「凝らす」か「気にしない」か
(4)単純に「好み」か「好みじゃない」か
(1)と(3)は素人にもパッと分かりやすい比較だと思うんですね。
古語、文語(旧仮名遣い等)を使っていれば「古典的」と感じるし、語彙や文法構成、音韻や韻律に拘っていれば技巧を凝らしていると感じると思うのです。
私が好きでよくやる「掛け言葉」なんかも(3)に含まれるかな。
やり過ぎると、少々うるさい自滅短歌になる(笑)
これらのポイントを踏まえて、今回の受賞作を考えた時に浮かび上がってきた傾向として、
(1)「現代的」で(2)「印象派(非写実派)」であり、(3)技巧面での完成度はあまり重要視していない作品を(4)「好む」選考者さまだった。
ということが言えると思うのです、結果論ですが。
もちろん、プロの目に適ったわけですから、受賞作と作者さま方には惜しみない賞賛が贈られて然るべきです。
私も素直に、「おめでとうございます!」と思っています。
一方で、選ばれなかった方々の作品がイコール駄作であったわけではない。
ということにも、併せて言及しておきたいなと思ったわけです。
結社の特徴・選考者さまとの相性って、絶対ありますからね。
落胆している作者さまやそのファンコミュニティを見ていると、こちらまでしょぼんとしてくる……(・ω・`)
受賞作品を並べて拝見していると、
とても「塔」という短歌結社でご活躍されている大森先生らしい選考だなと感じたのです。
言い換えると、カクヨムらしくはない。
正直、もっとハッチャケた異世界短歌とか、ギリギリを攻めてるエロ詩歌とかランク上げてくるかな……と期待していた部分もあるんです(コラ)
(だからこその、リベンジ自主企画なのかなって邪推してたりします。ほんと、邪推甚だしい・笑)
だから、今回多くのカクヨムユーザーの中にあった戸惑いの原因は、この辺りの分岐点を経た結果なんだろうなと感じた次第なのですよ。
私個人としては、この結果を受けて、せっかく広がった詠みの裾野が狭まることの方が寂しい……(・ω・`)と感じていたりします。
私も、今後もブレることなく私の好みである、古典的で写実派で技巧を凝らした(時々お笑いに転ぶ)作品を量産する気満々なのです。
だからこそ、カクヨムらしいバリエーション豊富な短歌俳句の自主企画になるといいな。