優しくて綺麗な物語が書いてみたかったんだと思います。
皆さんごきげんよう、みなしろです!
「無口な詩人と永久の花嫁」完結致しました!!おめでとう!長かった!!!
いや、ここまでくるまで本当に長かった。
皆さんこのお話の公開日知っていますか、2018年ですよ。
五年前です、別名義で活動していた頃、ばりばりにWEB小説初心者だった私の作品です。
更新が滞っていたのは「創作なんてしてられるか」というヤバすぎメンタルになって完璧に筆が折れていた三年間と、「創作再開したは良いけど設定もプロットも飛んでるしまず小説ってどうやって書くんだっけ?」となっていた大体二年間による私の絶不調のせいです、あと怠慢。
完結させることがどう足掻いても不可能になってしまった作品たちもあるなかで、何とか終わりまで書けそうだと判断した既存作の一つがこの物語でした。
ソウヤとフィナ、詩人と花嫁。
特に大きな事件が起こるわけでもなく、みなしろにしては珍しく血も出ず、美しく優しい世界が織り成す物語。
書き切れなかったこともたくさんありますが、とりあえず完結出来たということで、ちょっと涙が出そうです。
話が逸れちゃうんですが、本当に辛かったんですよ書けなかった時期が。
私にとって本を読むことと書くことは生きて行く上で当たり前に必要なことだったのに、読むのも書くのも全部駄目で。
友達や家族に励まされても、創作に触れていない私なんて許せないから血反吐吐くような思いで無理やり書こうとして余計拗らせたり……おかげで上手くなった部分も成長できた箇所も沢山あるんですけどね!!
迷惑かけた方々ごめんなさい、これからはたぶん、あそこまでは落ちないと思います。
さて、本題に戻りまして。
血と涙と汗とあれとこれとそれで出来た本作、楽しんでいただけたでしょうか。
他でもない、あなたの暇つぶしにでも役立てたなら幸いです。
ここからはみなしろと、詩人と花嫁の物語やキャラクターについて深掘りしていきましょう。
【ネタバレ】がありますので嫌な方はここで一度ばいばい!!
ではでは、飛び出ろ罫線!!
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区切らせていただいて、と。
軽く今作のテーマからお話しましょうか、いやといいましても……って感じなんですが。
今作は「優しさ」と「必要不可欠」「唯一無二」がテーマでした、私なりの。
優しさはもう全体的な雰囲気の話で、人が誰も死なない、戦争とか関係ない話にしよーって感じのざっくりとしたものですね。
誰も死なない、は無理でした……ごめんなさい、大人たち……。
あとの二つはそのまま、主人公とヒロインの関係性です。
主人公である詩人、ソウヤくんは精霊の王と人間のハーフという生まれ。
故に、言霊的なニュアンスで、自分の発した言葉に含まれる願いや欲を精霊さんたちが全部叶えてくれるというとんでもスキルを持っています。
「世界の滅び」も「世界の救い」も口に出すだけで叶えられてしまう。
神様にも怪物にもなれる力を持って生まれてしまった彼は、どちらの存在にもあまり興味がありませんでした。
彼の望みらしい望みといえば、普通に生きていたい、だけなんですよね。
この世界を形作り運営までしている、自然そのものであり神様でもあるみたいな精霊の子でありながら、目をきらきらとさせながら図鑑を片手に草原を走り回るような男の子でもあったわけです。
彼の父親はソウヤくんに、人間として生きても精霊として生きても良いと言いましたが、どちらを選んで生きていくのにも、彼は向いていないのでした。
精霊として生きれるほど人間を捨てられないけれど、
人間として生きていくには持つ力が危険すぎるし、体が過敏すぎるんです。
ただ朝起きて陽の光を浴びるだけで、ソウヤくんはクラクラして仕方がない。
こんな世界つまんないやって、早々に生きていくことを諦めて、世界を「滅ぼす側」に回るのも彼にとっては容易いことだったし、たぶんあのまま一人で生きていたらそうしていました。
その場合、彼は怪物になって誰のことも好きにならなかったでしょう。
でもそうはならなかったんだよ、って今作はそういうお話なのです。
ヒロインである長寿族の長の娘、フィナちゃんは人間よりも遥かに長い時を生きていける民として生を受けました。
人間とは完全に別の種族、かつて精霊からこの世界を託された先住民族であり、人間の祖を導き今までずっと人に寄り添って精霊との間を持ってくれている長寿族の一人です。
長寿族は単純に寿命が長い種族だというわけではありません、いわゆるエルフとかとは違います。
長寿族は世界側……つまり、精霊たちから死ぬ時を定められています。
彼らは運命的に死を迎えるんですね、生まれてきた瞬間にいつ死ぬか決められている。
彼らの死は精霊から与えられた使命を果たした瞬間にやってきます。
林檎の木を沢山植える使命の人は、木を100本植えたら死ぬかもしれないし、10000000本植えても死なないかもしれない。
なんなら最初の一本目から次を植えずにサボっていれば永劫に生きていくことすら可能でしょう、彼らはサボるの嫌いなのでやらないと思いますが。
結果的に「長寿」となるひとがいるor多いだけで、死ぬ時は唐突で呆気ない。
そんな呆気ない死を迎えたのが、フィナのお母さんと、フィナを育ててくれた大人たちでした。
フィナは母の死をきっかけに自分がどういう種族に生まれたのかを正しく理解することになります。
精霊を憎んだ日もあったでしょう、私はいつ死ぬのかと怯えたこともあるでしょう。
だけど彼女は膝を抱えたままではいなかった、顔を上げて前を向き、笑顔で歩みを再開した。
だから、ソウヤと出会えたんです。
フィナは彼と出会って、ぼんやりとしか分からなかった自分の使命を自覚します。
一応、設定としてはフィナちゃんは精霊が遣わしたソウヤの制御装置です。
さすがにそんな簡単に世界を滅ぼされたら困る、けどこの世界のルール上、彼はそれを可能とする力を持っている。
だからせめて彼が「この世界を愛せる」理由を作って、出来るかぎり人間側でいさせようって魂胆だったみたいですね。
結果的に幸せな夫婦として暮らせているからよかったですけど、精霊さんたちかなり邪悪です(そんなもんよ)
フィナが自分と出会った理由について、ソウヤは何となく気が付いています。
彼は精霊でもありますから、運営側の意図みたいなのが分かるんですね。
自分が彼女に対して好意を抱くことが必然で、その逆も然りなことを理解しつつも。
精霊たちの想定以上に愛し合えちゃったのがこの二人です。
使命を果たした時ってことは、フィナもいつか死んじゃうの?って思われると思うんですが、ぶっちゃけ人類が滅びるレベルで世界の環境が壊れない限りフィナは死にません。
ソウヤの制御装置だから運営的にも生きていてもらわなければ困るし。
長寿族は精霊に望まれる限り生きる存在です。
とんちみたいなこと言いますが、ソウヤ(精霊)に望まれている限りフィナは死なないということです。
そしてフィナが生きている限りソウヤは人間で善性である、というのがここの関係性。
↑こういうの好きだよねぇ、書きすぎだよねとは自覚ありです、言わなくてよろしい。
もし何かの間違いでフィナが死んでしまったら、ソウヤは容赦なく怪物になります。
ソウヤは、フィナ以外の人々のことも好きではあるんですが、フィナと暮らすために全てのエネルギーと意思力を割いているので、彼女にいなくなられると頑張れなくなって自我も怪しくなってしまうということですね。
そうそう、ソウヤのパパが超人すぎるだろと話題でしたが、どちらかといえば精霊の王の方が恋愛脳でイカれた考え方をしている存在でして。
運営者としてぼんやり世界を眺めてたら超好みなイケメン見つけたんで、人間(の要素を備えた)の体を作ってアタック!!
知れば知るほど好きになって両想いにもなれたけど、流石に王様なんでそろそろ帰らなきゃ……あなたとの逢瀬が夢のように終わってしまうなんていや!からの子作り!!です。
人外が考えることなんて人間からしてみれば意味不明だし訳わかんないですよ。
パパも土壇場まで彼女が精霊だって知りませんでした、よく受け入れて息子育ててくれたな……。
精霊の王は精霊界に戻ったあとも息子のことは見守っていました。
が、下手に干渉しすぎると彼をさらに強大な化け物にしてしまう可能性があったので見ていただけ、です。
孫にはそんな心配ないからかガンガン会いに行ってますけどね。
ソウヤも子どもの頃は寝ぼけ眼で天井見てたらやけに見覚えのある美人お姉さんが手振ってたり、風邪ひいた夜になんかあやされたりした経験があるにはあります。
ちなみにソウヤパパはレテランド王と超絶仲良しで、フィナのママであるリーンさんとも面識があったりしたのでした。
ここら辺も書きたかったんですが、あくまで夫婦の話としてまとめた結果削れていきました、残念。
他にもアルバスやミーティア、セシルとリアナのお話なんかも、書こうと思えば無限なんですが、それはまた番外編にするかな、どうかなぁって感じです。
書きたい本筋を形に出来て、作者としては満足です。
なんつーか、自分やればできるじゃん、って肩叩かれた気分でいます。
流石に文字数やばくない?って思い始めたのでこの辺りで締めましょうか。
読んでくれた皆様、本当にありがとうございました!!
こんなにも優しい物語は私、今後書くかどうか分からないです。
「無口な詩人と永久の花嫁」に出会えて、本当に嬉しくて、書いてよかったと思いました。
皆様にとってもそうだったら嬉しいな。
それではまた何処かでお会いできることを祈って。
みなしろゆうでした、五年間お疲れ様!!