今日は、拙僧の激推し坊主をご紹介いたします。
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幼名勢至丸は、本来由緒正しい武家の生まれでした。
彼がまだ九歳のとき、夜討ちに遭った父が深傷を負い、そのまま看取ることとなります。父は、臨終の枕辺で、我が子勢至丸にこう遺言を残しました。
——無念を晴らそうとして、彼(敵方)を恨んではならない。一度始めた仇討ちは、代々続いて尽きることがないのだから。いっそのこと、おまえは出家して我が菩提を弔い、自分の解脱を求めなさい。
仇討ちは武士の習いにして名誉であった鎌倉の時代、俗世を離れよと命ぜられた勢至丸の幼心は、いかに重くつらく悲しかったでしょうか。
それでも彼は父の遺言に従い、武家を捨て母と別れ、よわい十ほどで寺に入りました。
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これは、のちの浄土宗開祖・法然上人が、子供時代に出家するきっかけとなった最重要エピソードです。
ということで、正覚坊の激推し坊主は、法然さんであります。
たった一言「南無阿弥陀仏」で極楽往生できると説いた法然さんは、鎌倉仏教の先駆者。その生涯は実に濃厚で、いつか大河ドラマになって欲スぃ。。。
上記のエピソードでボロ泣きした私です。
みなさんの推し坊主も、ぜひ教えてネ٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
本日のイラスト:きゅるるん毘沙門おじさん