ウチのおじいちゃんの話をします。
ウチのおじいちゃんは昔、中学校美術科の先生でした。本職は画家、おんとし86歳になった今でも、日々卓越した作品を描き続けるプロフェッショナルです。
そんなおじいちゃんですが、最近も斬新なアイデアの浮かぶままに、創作活動に専念中。一日一作をノルマにしているようです。
しかしながら、さように毎日毎日作品を創り上げていると、そのうちネタがそこをつくのではないでしょうか。てやんでい、そこなき発想力にあふれるのが、画家の底力というものです。
さて今日この日、私はおじいちゃんの突出した想像の一端を垣間見ることになりました。
それはおじいちゃんがまだ教員だったころ、壇上に立って授業をしながらつくづく考えていたという、とても興味深い妄想のお話です。
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教科書をね、缶詰めにするんよ。
缶詰めにしたら、食べりゃいいでしょ?食べりゃ授業の内容が頭に入ってくるわけでさ、便利いいじゃない。わざわざ文字を読んだり教えたり、勉強しなくたっていいし、ただ食べればいいだけなんだから、みんながみんな等しく学べるでしょう?
でもね、結局、学力に差はつくんよ。
なんでかって言ったらね、ほら、人には胃腸の調子があるでしょ?だから、胃腸の調子次第なのよ。消化が悪かったら、学力上がらんのよ。
せやけね、こっちは胃薬やらないけんと╰(*´︶`*)╯♡ニコッははは。
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別になんということはない素朴な内容だったのですが、私にとっては非常にユーモラスに感じられました。「そのまんまで長生きしてな、おじいちゃん」、そう思いました次第でした。
ところで、教科書を読み込んで勉強してもさほど学力の上がらなかった私ですが、あまり胃腸も強くないのでどのみち無駄のようですね笑。
以上、個性派おじいちゃんのお話でした。
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https://kakuyomu.jp/works/16817330669183191559今日の写真:ウチのイッヌ