いやもう、今朝のエッセイのコメントでですよ。もう最高のパスが来ましたんでね。ごめんなさい、ちょっと勝手に載せさせていただくんですが、
『ふと思ったのですが、『片岡君はしゃべらない。』の大槻さん、寿都太一とは気が合うかもしれません。
作品の枠を越えたコラボをやっても面白いかも( *´艸`)』
それ!
それよ!
確かにそうなのよ!
『片岡君は~』に出て来る大槻隆主任といえば、その当時の最強の筋肉キャラでした。いまはもう別の人にその座を奪われてしまいましたけども。で、その『別の人』というのが、寿都太一、『なんやかんやシリーズ』に登場するムキムキ体育教師です。ですが、この『なんやかんや』には筋肉枠がもう一人いるのです。それがメインカプの片割れである南城矢萩の兄、南城椰潮(やしお)です。暑苦しい筋肉馬鹿のブラコン兄貴という設定です。
ごくり……。これ、この三人が集まったらどうなるのかしら。
さすがにこれをエッセイでやるのは無理があります。
じゃあ、どこで書く?
ここしかないじゃん!( σ´∀`)σ
というわけで、このキャラを知ってる人だけ(きっと)くすりとしてくれるであろうコラボです!設定は色々力業です!どうぞ!
***
「うわっ、すごいっすね、その大胸筋!」
やっぱり体育教師は違いますね、と大槻隆はたまたまベンチで隣になった新規入会者――男子高校で体育教師を務める寿都太一に向かってそう言った。寿都の方でも自慢の筋肉を褒められて悪い気はしない。問われるがまま、日々のトレーニング法やら、愛飲しているプロテインについて答えていく。
と。
「いやいや、大槻さんの外腹斜筋のキレもなかなかですよ!」
後ろから声を掛けられる。
「あっ、南城さん」
「いま休憩ですか?」
プロテイン片手に現れたのは、ここ、南城ジムのトレーナーである南城椰潮である。老若男女、どの会員からも人気のある爽やかな好青年で、首にかけたタオルで汗を拭きながら、プロテインを飲んでいる。
「ええ、といっても、小休憩ですけどね。補給のための!」
そう言って、シェーカーを掲げる。
「大槻さん、最近は表情もだいぶ明るくなられましたね! それにやる気に満ちている! 素晴らしい!」
「いやー、はっは! その、プライベートの方が、まぁ!」
「おっ、もしかして、恋人、とか?」
寿都がそう尋ねると、大槻は「いやぁ」と相好を崩す。そして、スマートフォンを取り出して待ち受け画面を表示させた。そこにいるのは、こちらに向かって笑みを向けている快活な女性である。どうやら彼女が大槻の恋人であるらしい。
「羨ましいですね」
そう話を合わせるが、寿都も内心では「いや、こちらにも負けず劣らずの可愛い人がおりまして」とほくそ笑んでいる。ただ、相手は彼と同じ男性だ。かなり市民権を得てきたとはいえ、まだまだ同性愛はマイノリティである。下手に何も言わない方が良いだろう。そう思っていたのだが。
「いやいや、寿都さんの方もなかなか情熱的なお相手がおられるようで」
トントン、と大槻に首筋を示されてすべてを察した。あの野郎、見えるところにはつけるなって言ったのに。と思わず下唇を噛む。
「あぁ、まぁ、その、はぁ」
そう濁して、首を擦る。ちくしょう、どっちだ。右か、左か、などと思いながら。
「寿都さん。ここ、ここです、こっち。その……後ろです」
「後ろ!?」
少々言いにくそうに大槻が指摘する。
うなじは予想外だったが、言われてみれば確かにそんな気もする。いや待て。うなじだと? そういやアイツ、なんかそんな本を読んだとか言って、うなじを噛まなかったか? コトの最中にそこを噛めば男でも孕む世界線があるのだと言って、ふざけ半分で歯を立てたのではなかったか。甘噛みだと油断していたが、まさか。残るほどだったとは。男が孕むか! 馬鹿野郎!
そんなことを考えて、かぁっと顔が熱くなる。
そもそも、うなじを噛まれるということは、だ。
それはすなわち後背位の体位でということになる。
女性が後ろから、とするとかなり特殊なプレイになるわけだし、寿都の身長を考えれば、相当大柄な女性となるはずだ。
ならばいっそ、相手を男性と仮定した方が自然である。
大槻ももちろんそう考えたから、深くは突っ込まなかった。
いまの時代、いろんな愛があったっていい。
二人の間に、何とも言えない妙な空気が流れる。
その空気を――、
「よし! お二人とも、今日飯に行きましょう!」
椰潮が破った。
パァン! と手形がくっきり残るほどに腿を叩いて。
「は?」
「め、飯?!」
「実は俺も最近恋人が出来まして! 弟にずっと惚気ていたのですが、いよいよウザがられて着拒一歩手前なんです!」
実弟から着拒一歩手前とはどういうことだ。
大槻と寿都はそう思った。
「どうでしょう、もういっそ、三人で恋人について心ゆくまで語り合うというのは?!」
無茶苦茶な提案をされたが、まぁ悪い話ではない。大槻も同期の伏見から「もう大槻君の話は聞き飽きたよ」と言われ続けているし、寿都に至ってはそもそも話す相手がいないのだ。相手が男だともうほぼバレているようだし、毒を食らわば皿までである。
「い、いいです、ね。寿都さんは、どうです」
「あ、えと。はい。いいんじゃないかと」
「よぉぉっし、決まりです! じゃ、21時に駅前の『鳥若丸』で!」
いやぁ、楽しみだなぁ!
そう叫びながら、いつの間にやらプロテインを飲み終えていた椰潮は、肩をぐるんぐるんと回しながら去っていった。
その場に残された大槻と寿都は、同時にぷっと吹き出してからお互いの連絡先を交換した。それから彼ら三人は筋肉仲間として定期的に『飯会』を開催し親睦を深めていくのだが、寿都の恋人である門別大祐だけが、正直なところ心中穏やかではなかったという。
***
というわけで、こんな感じになりました。
作品を読んでいない方はポカーンな内容かと思います。すみません!とりあえず作品のリンク貼っておきます。『なんやかんやで?』の方は本編の番外編ですが、椰潮さんの活躍回なのでとりあえず置いておきます。
『片岡君はしゃべらない』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887809566『なんやかんやで!〜両片想いの南城矢萩と神田夜宵をどうにかくっつけたいハッピーエンド請負人・遠藤初陽の奔走〜』
https://kakuyomu.jp/works/16817330651605896697『なんやかんやで? ~長子チームの交際はこのようにして始まった~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330655039790526さて、前半が濃すぎてアレですけども、予約していた本が届きましたので、その報告です!
武州青嵐(さくら青嵐)さんの『隣国嫁2』と、綾束 乙さんの『迷子宮女2』、それから『夫君殺し』です!(タイトル省略させていただきました)
三冊並べると圧巻ですね!ヒューッ、最高ー!
いつ読もうかな、いつ読もうかな、GWは家族が家にいるからな、とタイミングを見計らっているところです。カクの方も忙しくて、なかなか時間が取れないぜ!うほうほ。