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【相談】コンテストに向けて執筆中【これ面白い?】

 こっそりカタカタ執筆してるの辛くなってきたので冒頭部分を公開します。何かコメントくれると嬉しいです。今回は二作品用意してます。頭空っぽで読める作品と、めっちゃ設定とか考えてるSFラブコメです。今回は前者を紹介します。


・タイトル
悪役TS転生むちむちち

・キャッチコピー
ウチ決めた。魔王になる

・ジャンル
異世界ファンタジー

・タグ
悪役転生 主人公最強 TS コメディ 勘違い 魔王 聖女 徐々にシリアス

・紹介文
なし


【本編】
ーーー 01.ウチ、死す。 ーーー

 刺された。マジ痛い。
 血が、いっぱい、どばー。

 もぅ無理。死ぬ。
 嫌だ。生きる。メッチャ逃げる。必死。

 ウチ、マジあわれ。
 泣きながら頼めば見逃して貰えるかも。

「イーロン・バーグ! 俺は貴様を絶対に逃がさない! 地の果てまで追いかけて、必ず殺してやる!」

 無理。殺意ムカ着火インフェルノ。
 見つかれば、死。逃れられない、死。

(……なぜ)

 ウチ、問う。

(……なぜ)

 遡ること三ヵ月。
 ウチ、JKを謳歌。

 一転、謎の世界。
 鏡に映る、推しの顔。

(……これは!)

 ウチ、超絶理解。
 ゲームの世界に、転生!

(……でも!)

 この姿、知ってる。
 悪役のイーロン・バーグ。

 最終的に、死。

 マジ無理。
 死ぬの無理。

 だからウチ考えた。
 謙虚に生きる。ヒトに優しくする。

 完璧。無敵。
 破滅フラグ回避、必至。

 がっ!

 死。刺された。
 マジ無理。痛い。

 これが歴史の強制力。
 無力なウチには抗えない……。

(……拒否!)

 死、マジ無理。
 その願いパワー、極限。
 
 起きた。不思議なこと。
 ウチの魔法パワー、覚醒。

(……これ!)

 超速理解。
 過去に戻れる。

 やりなお、せる!

(……いけ!)

 行くな! 戻れ!
 過去に……行け!

 行った!
 やったぁ!

 謎の空間。
 多分、一時間くらいの旅。

 ウチは考える。
 何がダメだった?

 この身は……悪役!
 悪者で……やっつけられる!

 だから……謙虚!
 ヒトに優しく生きた。頑張ったのに……!

「うざ」

 ウチ、悪くない。
 
「ノエル絶対ゆるさん」

 ウチを討伐した四人パーティ。
 そのうちの一人、聖女ノエル。

 ウチ、知ってた。
 原作では、あいつが一番の敵。

 だから餌付けした。
 貴重なお菓子、分け与えた。

 なのに!
 この仕打ち!

 ウチは正義。
 悪は、あっち。

 ウチは愚か。
 悪に……屈した!

 でもウチは幸運。
 もう一回、チャンスある。

 三度目は不明。
 この覚醒、奇跡かも。

 歴史の強制力。
 二度目も刺されるかもしれない。

 なんか、とても、やだ。
 報われない人生は、もう飽きた。

 だからウチは思った。
 どうせなら、次の人生は──

「自由に生きる」

 ──こうして、一度目のウチは、死んだ!



ーーー 02.ウチ、生き方を決める ーーー



 |坂東《ばんどう》いろは。
 彼女の脳には生まれつき欠陥があった。

 絶望的に物覚えが悪い。
 知識が定着するまでの時間が異常に長い。

 周囲は彼女に配慮した。
 とても優しい環境だった。

 それは彼女に孤独を与えた。
 
 皆と違う。皆と同じことができない。
 幼い少女にとって耐え難い事実だった。
 
 しかし彼女はメンタルが強かった。
 
 一生懸命がんばる。
 皆よりも百倍バカだから、百倍がんばる。

 いつか皆と一緒になること。
 それが彼女の夢であり、目標だった。 

「いろは、見てるだけで大丈夫だよ」

 しかし善意が彼女を遠ざけた。

「大丈夫? 私がやろうか?」

 どれだけ頑張っても追い付けない。
 彼女は、いつまでも「特別な子」だった。

 だから。

「ゲーム、好き」

 彼女はゲーマーになった。
 
「セーブ、最高」

 もちろん彼女はゲームの内容を覚えられない。
 どれだけ熱中しても、翌日には綺麗さっぱり忘れてしまう。

 しかし、データは消えない。
 彼女が努力した証は残り続ける。

『────』

 そのゲームのタイトルは、何だっただろうか。
 彼女の記憶には残っていない。だけど多くの時間を費やしたことは確かだ。

 そのゲームには、倒されるべき悪役が存在する。
 名前はイーロン・バーグ。彼女は、何度も主人公に挑む姿に自分を重ねていた。

 誰からも褒められない。
 どれだけ努力しても報われない。

 それでも諦めない。
 夢を叶えるために、何度でも挑む。

「一緒だね」

 乾燥した頬に一筋の涙が伝う。
 それが彼女に残っている最後の記憶だった。


 そして現在──


「きゃ~! よくできました! 偉い偉い!」

 ウチは、めっちゃ褒められていた。

「んぁ~い!」
「もぉ~! なんてかわいい子なの!」
 
 ママ、好き。
 何しても褒めてくれる。

 例えば二足歩行。
 人類の基本スペック。

「きゃ~! あなた聞いて! ウチの子が歩いた! 歩いたわよ!」

 ママ、大興奮。
 楽しい。何しても褒めてくれる。
 
「んぁ~い!」
「もぉ~! 好きぃ~! 息子ぉ~!」

 メッチャ戻っちゃった。
 ウチの知ってるゲームは学園からスタート。

 こんなの知らない。
 イーロン・バーグの幼少期なんて見たこと無い……はず。

「イッくん、よく見て」

 幼少期の彼は、イッくん。
 この呼び方も知らない。初耳。

「こっちが赤いボール。こっちが青いボール」
「あーぁ、あーお?」
「きゃ~! 賢い! そうよ! 赤と青よ!」
「んぁ~い!」

 楽しい。
 
「よく見てね」

 ママは床にボールを置いた。

「青いボールに触ってください」
「んぁ~い!」
「きゃ~! 正解! 天才だわぁ~!」

 楽しい。
 一分あたり人生三回分くらい褒めてくれる。

 こんなの初めて。
 これは、夢かな?

 じゃあ、頼む。
 終わるな。永久に。

 そう思った直後。
 襲われる。強烈な眠気。

 嫌だ。やめて。
 この夢は、もっと、お願い……


 *  *  *


「あう!」

 ウチ、覚醒。
 空が白い。天井かな。

「あーぅ」

 手を伸ばす。
 ちっちゃ。なにこれ。

「あー?」

 えっと、えっと……は!?
 そうだ。ウチ、転生。そして、死。

 奇跡の時間遡行! 
 その後……赤ちゃん!

「あらあら。お目覚めなのね」

 ママが現れた。
 とても優しい目。
 
「あーぁ」

 ウチは「赤」と言った。
 理由は不明。ママの赤い瞳を見たら、どうしてか赤と言いたくなった。

「……ああ! 赤! 私の瞳の色を言っているのね!」

 伝わった。流石ママ。
 わっ、なんか急に持ち上げられた。

「昨日教えたこと、もう覚えたのね! 流石だわぁ~!」

 ……昨日、教えたこと?
 ウチはママにギュッとされながら、その言葉の意味を考えた。

 分かる。覚えてる。
 さっきの夢、あれが昨日の記憶。

 そうだ。思い出した。
 ウチは……イーロン・バーグは、忘れない。

 一回目は気付かなかった。
 生き残るために必死だった。

「あーぁ!」
「そうよ。赤色よ」

 覚えてる!
 昨日のことも、その前のことも、全部、全部、全部!

「……うぁ」
「あら、どうしたの?」

 ウチは号泣した。
 感情の制御、マジ無理だった。

「あらあら、お腹がすいたのかしら?」

 優しいママ。
 褒めてくれる人。
 昨日を今日に持ち込めること。

 ずっと欲しかった。

 今の状況は意味不明。
 でも、ひとつだけ分かる。

 ウチの妄想が、現実になった。

「ごめんなさい。強く抱き締め過ぎたかしら? 痛かった?」

 ウチは号泣した。
 そして、あらためて誓った。

 自由に生きる。
 やりたいこと、できなかったこと、全部やる。

 そのために──


 *  三年後  *


「母上さま、質問があります」

 食事の時間。
 ウチは隣の席に座った母上さまに問いかけた。

「……あの、母上さま?」

 ガン無視。かなしい。
 母上さまは無言で食事を続け、やがてボソッと言った。

「ママと呼びなさい」
「ママ、質問があります」
「はぁ~い♡ なんでも聞いてちょうだい♡」

 ウチは父上さまをチラと見る。
 ママは甘々だけど、父上さまは厳しい。言葉遣いとか、礼儀作法とか、色々。パパと呼んだら老若男女平等パンチが飛んでくる。

 父上さまは溜息を吐き、席を外した。
 ママと二人で自由に話しても良いという意思表示だ。

「長生きする方法を教えてください」
「どうしてそんなことを聞くの?」

 ウチの未来は、死。
 聖女ノエルと愉快な仲間達に追い詰められ、刺される。

 そんなの絶対に嫌だ。

 前回は訳も分からず殺された。
 だけど今回は違う。準備できる。

「ママと、少しでも長く一緒に居たいからです」
「……まぁ!」

 ママは両手で鼻と口を隠した。
 そして宝石みたいに綺麗な赤い瞳から透明な雫が零れ落ちる。

「まぁまぁまぁ!」

 宝石みたいに……えっ、何この表現すごくない? ウチめっちゃ賢くなってる。やば。本を読んでるからかな?

「力よ!」

 ママは力強く言った。
 ウチは雑念を捨てて耳を傾ける。

「今の時代、死因の九割が他殺。力無き者は死するのみ!」

 やだこの世界。マジ物騒。
 
「そうね。そうよね。まだ幼いとか関係ないわよね」

 ママはウチに体を向け、真剣な表情を見せる。

「イーロン。心して聞きなさい」
「心して聞きます」

 ママは無言でウチを抱き締めた。
 多分、正面から向き合ったら愛が溢れてしまったのだろう。マジかわいい。

「イーロン。心して聞きなさい」
「心して聞きます」

 テイク・ツー。

「この世は、強者こそが正義です」

 ウチは神妙な面持ちで頷いた。

「弱者は全て奪われます。綺麗な夢も、大切なモノも、何もかも」

 その言葉を口にしたママの瞳からは、いつもの優しい光が消えていた。
 だけど、この時のウチには、その意味が分からなかった。

「イーロン。あなたを強くします」

 ウチは頷いた。
 そして厳しい修行が始まった。

 強くなる。
 とてもシンプルな答えだ。
 
 前回、ウチは聖女ノエル達から逃げた。実に愚か。必要なのは、自己防衛。ウチは戦うべきだった。勝てば生きる。負ければ死ぬ。とても分かりやすい。

 絶対に死にたくない。
 だって、やっと夢が叶った。

 多分、これは生まれ変わり。
 理屈は分からないけど今この瞬間はリアル。

 やりたいことが沢山ある。
 だから絶対に長生きしたい。

 ウチは生き方を決めた。
 強くなる。誰よりも強くなって、自由に生きるんだ。

6件のコメント

  • 序盤が冗長なような気がします。
    テンプレの部分はバッサリ短くして
    みたら?

    例えば
    悪役に転生したから
    善人を頑張ったけど殺されたよ!
    ガッデム!
    ワンチャンあり?!
    次は力こそパワー!!

    くらいでどうでしょうか?
  • あんまり削ると読者層が狭まっちゃうの><
    でも削るの〜(๑˃ᴗ˂)!
  • 01バカJK感だすための導入かなと思うけど最初キャラがわからなくて読んでいてイラッときたw、いきなり刺されるよりギャルグループと馬鹿騒ぎしてるお馬鹿ちゃん的な紹介があってから刺されるような流れがあったほうがストレスなく読めそう。
  •  01は、書き方的に、バカで変人な感じの主人公の主観だけで進んでるから、分かりにくいし、共感や、感情移入しにくいんだと思います。対して02は、努力しても報われなかったっていう、ありがちなことで、共感や感情移入がしやすいく、読み易く感じたので、01の方は、語り手の様な形で、第三者に話させるように進めたら良いと思います。
     普通に02の続きが読みたくなりました。頑張ってください!
  • 最初はだんだん論語を読んでる気分になってきましたが最初だけで良かったです。

    主人公の名前に幸せの青い鳥を奪い取るという強い意志を感じました。

    続きを楽しみに待ってます。
  • 参考になるの~(๑˃̵ᴗ˂̵)!
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