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メアリー・スー談義その㉒

『ベルーガ・シフォン①』の戦闘シーン解説をしときます。

まず初めに、『移動』の転移者はじめ殆どの人は物体がどこに送られたのか分かりません。ベルーガ自身が語っていたように、音や視覚、経験則で補うしか方法がないのです。

そういった状況で戦闘シーンを見返してみると、***がどれだけ異質な事をしてるのか分かると思います。

戦っている最中に『移動』を使う時なんて、攻撃か回避ぐらいしかありません。それも下手な転移者ならともかく、脅威として認識されてる***です。無駄なことなんてしないと思われていて当然でしょう。


『移動』の力で特筆すべきなのは、「物体の慣性を引き継いだまま移動させる」という点です。

メリットでもありデメリットでもあるこの特性によって、『移動』を用いて攻撃する際は相手の近くに物体を送る必要があると作中では説明されてました。


刃物が『移動』するだろうタイミングで何も来ない、むしろ少年は何も無かったように白刃戦を仕掛けてくる、完全に予想外の行動をされたわけです。完全に動揺した彼は、判断力が鈍り傷を負ってしまいます。

この少年が無駄な事をするとは思えない、いつどこから刃物がやって来るか分からない、そういう心理状態を意図的に生み出したのです。

よって、攻撃する際に刃物の存在を恐れて「回避する」という選択肢も生まれてしまう。一択だった選択肢が強制的に二択にされてしまったのです。


そして後はこの作品おなじみの初見殺しで背中にブスっとしてこの回は終了となります。

今回は派手な戦いではなく心理的な駆け引きを意識しました。ソレが上手く表現できてれば幸いです。

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