門掛 夕希-kadokake yu ki

全ての物語が【此の町】という特定の場所で繰り広げられる、一話完結の短編小説。どこから読み進めても良く、どこで読み捨ててもいい。しかし、読み進めるごとに登場人物たちはあらゆる場所で…

詩人の旦那が好きだったわけではない。好きだった旦那が詩人だっただけである。——小説より抜粋

私の鬱憤から挽ひかれたため息は、海岸の砂などでは濾過ろかされないだろう。きっと地球の内核まで届くのだ。そんな妄想に浸っている途中、不意に声をかけられ私の意識は現実に戻された。——…

〝プロにはなることはできたが、その環境で生き抜く精神力を養いきれていなかった〟だから私は、プロの解説者になったのだ。——小説より抜粋

旦那が好きという気持ちだけで、毎日を過ごせるわけではない。——小説より抜粋

webページの更新ボタンを押した。そして、自身の名前が受賞者欄に記載されていないことを確認した。——小説より抜粋

普通のことを普通に行っているだけである。きちんとした社会理念や道徳を判断材料にして、行動をしている。——小説より抜粋

おばあちゃんは野菜作りが上手で、そして魔女狩りはもっと上手だった。——小説より抜粋

名は体を表すといいます。子の父となるなら、将来のことを考え名付けなさい　——小説より抜粋

今まで掘っていた土とは違う固さに変わった。土の色も少し薄くなり僕は宝物がきっとここにあると確信した。——小説より抜粋

「貴方のよく私にいう言葉って、世間的にはモラハラっていうんですって、知っていましたか？」——小説より抜粋

「ねえママ、四葉のクローバー探したい。もし見つけたらね、明日幼稚園に持っていってね、僕を嫌いって言う女の子にあげるの」——小説より抜粋

「斎藤先生、私が家に帰らないで済むいい案なにか思いつきました？」　——小説より抜粋

門馬　正兎の事務所兼自宅はその「鼓町」の中でも特に雄弁であった。今日も彼の元には奇天烈な依頼が舞い込み。今回の依頼で彼は現代人が一度は耳にしたことはある〝あの言葉〟の実態に迫る。