歴史に「もし」はない。
たしかに「世界」が岩のように確固とした存在なら、そう言いきる事もできただろう。 しかしこの世界は確率で成り立っていて、ほんのわずかの確率の揺らぎの中に、それぞれの歴史は存在している。
確実ではない世界。それを発見した者達は、ある者は世界の不安定さに脅え、ある者は新たな可能性に気がつき、他の世界へと飛び出した。
しかし、その可能性は良い事にばかりつながっていたわけではない。略奪と侵略、生物種の絶滅と言った大きな物から密輸にいたるまで、犯罪もまた確率の中へと拡散していった。
そして、時空犯罪者を追う組織が設立され。
これは『基準線』ペルシルに設置された時空監視局のエージェントと、その周囲の人々の物語。
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