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デス・リベンジャーズ あとがき

おはようございます! 霜月蓮です。
気づけばもう12月! 季節が流れるのは早いですね。年賀状用意しなければ……。

さてさて、6月に投稿を開始し、その後ちょっとレイアウト変更ついでに投稿し直したデス・リベンジャーズですが(本当は投稿し直しっていけないんですね。やってから知ったし投稿やり直しても4日くらいPV0だったから許して汗)、遂に完結しました!
イェーイ! というわけで後書きというか感想というか雑多な奴というか書いていきます。

まずはネタバレなしの範囲で。

この作品は私にとって魂の叫びでもなく、憂さ晴らしでもなく、実験として書いたものでした。
百合好きの人が書いたBLが面白いことになっているというのを目にして、やったことのないものを書いたら、私の個性はどんな感じで主張してくるんだろう? と思ったのがきっけですね。
実験なので、やったことのないものをやろうと思い、2つキーワードを設定しました。
それが『復讐もの』と『事件もの』です。

復讐ものってあんまり興味なかったんですよね。私自身わりと幸運な人生を歩んでいるし、仕返しするくらいなら諦める超絶面倒臭がりなので、復讐に燃える主人公頑張るなぁくらいにしか思ってなくて。

それと事件ものも、開始から終わりまでのうちに何個も盛り上がりがある構成って書いたことなくて、未知の領域だなぁという感じで。

というわけで今回はたまたまデスゲームものと事件ものを読んだ後にプロットを練ったこともあって、やったことのないこの2つに挑戦してみました。
デスゲームにはならなかったですね笑

慣れないことをしてみると、やはり私はテーマありきで話を組み立てるんだなぁということがわかりましたし、何にしても人の感情を掘った書き方は変わらないのだなぁと笑
まぁそれが私らしい復讐ものっていう答えに辿り着いたわけですが。
議題(被害者)を放り込んで、アザミ達がどう論破していくのか、ひたすらそれを見守って考えてって書いてました。
別に憂さ晴らしにはならなかったです笑 人を負かすことも論破して優位に立つことも面倒臭いと思うマイペース屋なので。

ここまでは全体の話だったので、以降はキャラに対してのことを書きます。
第9章あたりの盛大なネタバレがあるので、これから読むよって人はここで回れ右してくださいね〜
以下、暫くネタバレ防止スペース↓↓


































よし! これくらい開ければ大丈夫ですよね?

さて、最初は主人公、太陽から。
プロットの段階で物凄く迷ったのは、主人公をどうするかでした。
実は過去作『ひとりぼっちの二人』では主人公の設定で色々と課題を感じたので、今回はきちんと物語の観測者としての役割を持たせたかったんですよね。
そうなると鉄板なのがシャーロック・ホームズにおけるワトソン君の位置を視点にするというやり方なんですが。
アザミという天才がホームズなら、太陽という凡人をワトソン君の位置にしようか、みたいな感じで考えて。
ただ、なかなか太陽に主人公らしさが出なくて苦戦しました笑 事件の解決は基本的にアザミ、太陽は言ってしまえば添え物って感じになるので。
なので太陽にも復讐に参加する必然性を持たせるために、運命を変える力と聡里との因縁を持たせることにした、という感じです。

……いや、やっぱり難産だったよ、君。

まぁこの構図は、私が主人公の書き方として理想の一つにしているFF10を参考にしています。わかる人はああと思うかもしれません。

続いて二人目の主人公、アザミ。
天才なら何が出来てもいいよね! という創作のあるあるに甘えまくったチートキャラですが笑
太陽が弱者と強者を目の当たりにして悩むポジションなので、彼女には一切悩ませないという制約のもと書いていました。
とある本で主人公はオーラ(共感、何かやってくれそうという可能性)、敵はカリスマ(近づき難い格好良さ、完成されたもの)を意識して書けとあったんてすが、太陽はオーラを、アザミはカリスマを持たせたつもりです。
太陽とアザミが度々意見を違えるのは、敵味方の構図だからですね。和解するけど。
ちなみにアザミは打算で考えるので、太陽に運命を変える力がなかったら絶対に手を差し伸べていないですね。太陽、よかったね……。
あ、最後にアザミが経験した車椅子で街に出ると可哀想な目で見られる、顔の傷を見られるとぎょっとされるのところですが、これは友達や自分の体験談です。
病気で車椅子になってしまった友達が(女優なのでメッチャ美人です)「今すれ違った男達、『車椅子じゃなければあの子いいよね』って言ってたの聞こえた」とツイートしていたのが印象に残っていて。
他にも、私自身が高校で顔に大きな痣のある子に会った時にぎょっとしてしまって、「これが差別感情か……差別しないって本当に難しいな」と思ったことがある感じです。
痣のある子は何度も何度も美容外科手術を受けていましたが、私の含めてそういう視線が痛かったのだろうと思っています。

3人目はうさぎ。
君はね……本当に御しきれなかった。ごめんなさい。見る人が見れば多分持て余しているのがわかったと思います……。
デス・リベンジャーズって実はなかなかプロットが組み上がらなくて、その理由が登場人物の少なさだと思った時に無理矢理増やした四人のうちの一人だったんですね。ちなみに他3人は辰夫、秋人、昴なんですけど。
今作では(身体的な)弱者の条件が女、子供、障碍と定義づけていて、うさぎは子供の部分を担っていたわけですが。
あとは、弱者として描いた辰夫との架け橋だったり、死んで幸せになれた子という皮肉を込めたりしてました。
まぁ、彼女が大人びているのは甘えることを許されなかった状況だから、早く大人にならなければならなかったのと、父を死なせる決意をした時に捨てられるくらいなら捨てる方がいいと学んでしまった部分があったからです。
うーん、まぁ君はマスコットだから……。
今度は上手いこと書きたいです。

4人目、辰夫。
この物語では身体的な強者の条件を男、大人、健常者としているんですが、辰夫はこの3条件を満たしている強者なんですよね。ただアザミの言う精神的な強者ではなかったため、幸せにはなれなかった。騙されたことに気づかないお人好しという部分もあり。
そういう矛盾を抱えた位置づけの人として書きました。アザミとは一切相容れない人。
でもこういう人って多いと思うんです。私もですけど。人より優位に立ち続けることが難しいというか、それを望まないというか。
そんな人でもアザミの言う(精神的な)強者の在り方は楽しく生きる方法の参考にはなるんじゃないかというテーマを背負わせた人ではあります。
普通の復讐ものでは要らなかったポジションの人かもしれませんが、太陽の物語ならやはり必要なキャラだったんじゃないでしょうか。

5人目、炎華。
最初はアザミへの執着が凄いキャラとして書くつもりが、秋人とキャラがかぶると気づいて依存という要素を加えたキャラになります。まぁ彼女についてはモデルにしているキャラがいるんですが、その子も依存体質だったので輸入してきた感じです。
依存って諸刃の剣だと思うんです。恋愛でも相手に酷く執着した時、相手が受け入れるか拒否するかでオシドリ夫婦にもストーカーにもなる。
だから炎華は依存関係が成り立っているうちはメチャクチャ強いんですよね。あの人が私を認めてくれるなら他は気にしないというある種圧倒的な精神的強者。
誰かに依存する強者の形を知らないアザミにとっては倒しようのない相手だったと言えます。あんまりアザミの宿敵感が出せる展開に出来なかったんですけど笑
そういう意味で、炎華を傍で見てきた秋人は唯一の天敵だったんでしょうね。
聡里を失望させないようにするために技を磨き、全ての任務を完璧にこなす。アザミは炎華の完璧さに泥をつけたから汚点として抹消しなければならないって感じで。
ちなみに炎華は元々、秋人にも父のように懐いていました。物語が始まってからは聡里が秋人の行動を糾弾していたため、やや距離感がありましたが。

6人目、秋人。
敵がいるならスパイ的な人がいるといいよね、と思って置きました。その結果スネイプ先生みたいなことになりましたね笑
番外編で彼の自殺前を書いているんですが、彼って元々精神的に弱くて非常に臆病なんですよね。作中でヘラヘラした言動が多いのは素を見せるのが怖いからです。ああ見えて根は超がつくほど真面目です。
死神になって、アザミを守ると決めてから強くなった形です。でもアザミ死ぬんですけどね笑
ちなみに彼が何かとアザミの口癖を真似ているのはアザミの成長を見守ってきたためです。
彼の大鎌が特殊なのは真正面からぶつかったところで勝てっこないという臆病さからくるものです。色んな機能が使えるのは十二年かけて自分の能力を研究したからですね。炎華も頑張ればもっと多様な能力が使えたと思います。
書き方としてアザミと同じくらいの切れ者っぽくなってしまったんですが、彼が何年もかけて辿り着いた答えにアザミは瞬時に辿り着けるのでやはりアザミの方がずっと切れ者です。

7人目、昴。
最初は普通にアザミの仲間にするつもりだったんです。当初のプロットでは昴編で自殺して死神になる予定でした。
でも書いているうちに死んでばっかって展開的に単調だなと思ったので、生かす方向に急遽変えた感じです。その結果、秋人と同じように敵側のスパイになってくれました。
彼にも炎華と同じ依存の要素を持たせていますね。姉さん姉さん言ってますし。
昴は炎華と同じく運動神経がよく、なおかつ男なので天井裏から難なく降りたり、窓を蹴破って窓の外に出たりとアクション担当みたいになってました笑 設定としては十五歳でしたが、大人顔負けなほど強いって感じです。
ちなみに彼の趣味は女の子の格好をすることなんですが、これは死神になった姉の姿を感じるためだったりします。女になりたいという願望はありません。

8人目、聡里。
この話って昔読んだデスノートの影響を受けているんですが(タイトルにデスつくし死神だし……)、デスノートでいうところのライトが聡里、Lがアザミなんですよね。なのでアザミと行動した先にあるものは似ているけども根本的なところは違うみたいな関係性にしたいと思ってました。
聡里のしようとしたことはかなり利己的でやばいことだけど、誰かにとって結構ありがたいことではあったんじゃないかなと。
あんまりそっちの面は押し出せなかったけども……。今回キラ信者みたいなのが炎華くらいしかいないですしね。うん、やっぱりよく出来てる、デスノート。
未遂で終わってしまったために、やばい感を思ったより出せなかったのも私の中の課題であります……こねくり回しすぎましたね。
ちなみに鳥海智里のアナグラムはわりと思いつきでした笑

キャラに関してはこんな感じですね。
私の中ではうさぎの次にキャラ付けこれでいいんだろうかと迷っていたのが太陽だったんですが、ひたすら読者と同じ目線に立つ観測者としてのポジションに徹したところ、意外と好きになってくれる人が多くてよかったです。まぁアザミも迷ったんですが。Lだからそれでいいんですけど(そういえば甘党設定もLを真似たんだった……)、隙がなさすぎるかなとか思ってました。たまに敢えて理不尽なことさせてましたけど。

思っていたより長くなりましたが、デス・リベンジャーズについては以上です。
慣れないことをしたことで得られるものはあったので、それを心に留めておきつつ、出来なかった部分は次の機会に改善していこうと思います。
いつになるかわかりませんが、また新作は書くと思うので、その時は宜しくお願いします!

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