猪突猛進と言いますが、アトラーナに猪はいません。
猪の代わりに、シビルという羊の種類の動物が例えに使われます。
シビルは織物が盛んなベスレムで放牧が盛んですが、驚くと一斉に全力で走り出して危険で飼いにくいので、最初飼おうと考えた人はいませんでした。
まさに猪突猛進、人が居ようとお構いなしに走り出します。
ベスレムへ養子に行ったラグンベルクは、あまりのベスレムの窮状を目にして調べ、織物産業に目を付けました。
羊毛はほとんどが隣国から買い、技術はあっても材料を隣国の言い値で買わなくてはならないので、利益が出ず領民は苦しんでいたのです。
そこでラグンベルクは、飼いにくいが上質の毛が取れるシビルに目を付けます。
飼いにくいなら、飼えるように工夫すれば良いと、谷間を開墾して牧草地を作り、シビルが走っても飛び出さないよう石造りの柵で囲ってシビルを多数買い付けました。
ベスレムは、驚くほど豊かになった事で、王家の威信も上がったのです。
ベスレムの今があるのは御館様のおかげ、と、ラグンベルクの人望の厚さはそこから来ています。
と、まあ、ずいぶん話しが外れました。
ベスレムはラグンベルク、レナントはガルシア、本城ルランは・・さて、キアンの荷は重いです。
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