ホーリーの、もしかしたら初恋だったのかもしれません。
人と本気で愛し合ったその純粋な恋心が、彼の見たことも無いほどの微笑みを生み、たとえそのまま別れても、それを心の中で育むことでもう少し優しく穏やかに生きることも出来たのかもしれません。
2人の100年を超える年月は、空虚と後悔でさいなまれていました。
アリオスは出会いのきっかけとなった指輪を毎日手の中に感じながら、それをもう一度渡すために生きようと決意しました。
その決意は重く、自分への呪いのように縛り付け、死ぬことの出来ない苦しみの中で生きている彼の苦しみを感じながら、ホーリーもきっかけを掴むことが出来なかったのでしょう。
ひ孫の行動は、2人をようやく解放へと導きました。
デッドエンドとは思っていません、これはハッピーエンドなのです。