今回のお話に、陳慶之(ちんけいし)という中国南北朝時代の名将が出てきます。
どんな人物かは、調べていただけると分かると思いますが、とんでもないチート武将です。
本人は武術はからっきしだったようですが、用兵が凄まじいほどに巧みで、南朝梁の武帝に仕えていたのですが、ある時、北朝の北魏の皇族が梁に亡命してきたことがありまして。
その皇族を洛陽まで送り届ける任務に着きました。わずか7千の騎兵を指揮して。
その際の戦績というのが、約140日の間に47戦47勝。陥落させた城塞は32に及ぶという凄まじさ。
その時の敵軍は自軍より多数の兵力ばかりで、七万の軍を一日で壊滅させるわ、二万の兵が籠城するのを一日で陥落させる(一般的に、城を攻めるのに必要な兵力は籠城軍の三倍以上とされています)とか、十五万の大軍を二〇日間に及ぶ戦闘の果てに撃滅するとかですね、あり得ない活躍をみせています。
それで皇族を洛陽まで送り届け皇帝に即位させることに成功するという、はっきりと言って化け物のような将軍です。