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「わたしは、かわいい。」~四方山話

 「わたしは可愛い」という単語がなんとなく頭に浮かんで素早く頭に組み立てた話というのは実は、
 「自分が可愛いという自覚のある主人公が、それから来る勘違いや失敗を繰り返す様をおもろかしく描く」
 というのもだったんですが、出来上がったのが、コレ。
 一体どこでどう間違ったんだろう。

 …いや原因についてははっきりしておりまして、話を考えてる最中に、「あ、これって『白鳥麗子でございます!』じゃん」と気がついてしまったのと、一度ド真面目に百合モノを書いてみたかったから、というのが合体した結果。

 まあそれでも、ひと月半程度で二十万文字きっちり書いて、完結させた点については自分をほめてあげたい。我ながらよーやった。
 ただ、思いついたままに書いてたもんだから、当初考えてた倍の量になるわ最終盤で辻褄合わせに苦心したわで、どうせプロット通りになんか展開しないからと開き直ったのを割り引いたにしても、ノープロットというのは苦労しますやね。ホント。
 特に、麟子が自分の気持ちに気がつく流れが、ひどかった。31話の、星野彩友との会話。
 ここ、書き始めた時はまだ次の一山の前の助走段階、みたいなつもりだったものが、書いてるうちになんか星野が話を怪しい方向にもってっていきなり麟子が発情(おい)する展開に…いや、書き終えた時に本当に頭抱えたもんでした。

 まあでも、後で読み返すとこっちの方が自然で、次の32話で秋埜を思って麟子が悶え苦しむところなんか「こいつかわええなあ」と作者ながら思えたので、結果としては成功したのかと。
 いやまったく、最初登場した時から考えると星野彩友は実に影響の大きいキャラに変貌しました。

 で、そういう意味では実は外村大智も話の展開に決定的に大きい影響を与えたキャラでした。
 実は2話で登場させたのは単に、「男子キャラも作っておかないと不自然だよなー」って程度だったものが、緒妻が登場して会話し始めた時に、「あれ?これもしかして麟子って大智のこと好きなんじゃね?」と思ってしまったのが運の尽き。
 そこから一気に28話での麟子が絶叫告白>フラれコンボという流れが頭の中で出来上がってしまいましたとさ。
 これが無かったら話としてはもっと短く、そして起伏に欠けるつまらんものになっていたであろうことを思うと、実はこの話のMVPは大智だったんじゃねーか、と作者としては思うわけなのでした。

 そういう意味では逆に、三条美乃利は登場と再登場の形は完全に最初考えた通りで、登場させた時点で作った、秋埜への思慕に悩む麟子に指針を与える、という役割を完全に果たしたキャラだったと思います。

 主人公、中務麟子。
 こっちは…まー今第1話読み返すと、ちょっとぶれたかもなあ、と思わないでもなく。
 ただ、特にテーマとしては決めてはいませんでしたが、一人称の小説としては主人公の変化や成長は織り込んでいかなければならない、と考えていますので、@Komatuna-engineさんの指摘されていた、麟子の気持ちの成長、というものを汲んでもらえたのならば成功したのかな、と思っています。

 ヒロイン、鵜方秋埜。
 ひねくれたところの少なくない主人公、麟子にくらべて真正直、ストレートにかわいいヒロインでした。
 小学生の頃の気持ちを伸ばしていって、それを大事にしつつも、待つ女を守る。
 一番「やった!」と思ったシーンは21話のラスト、大智と緒妻の姿に衝撃を受けて打ち拉がれる麟子の前に、「なーにやってるんすか、あなたは」と登場する場面。
 基本待つけれど、肝心な時には助けに入る。なんという良妻。秋埜は麟子の嫁(違
 麟子を糾弾した翌日学校をサボった秋埜。この一日って、何を思ってたんでしょうね。作者にも何故か想像つきません。

 あとはー…こう、なんだか二人がえっちぃ雰囲気になるシーンなんかは…アップした後で「やっちまった…」と頭を抱えることもあったりしましたが。
 まあこういう、パートナーの肌を求めてしまう心情ってのは、男も女もそんなに違わないんじゃねえかなあ、と思って書いてましたけど、女性から見てどーなんでしょうねえ。



 なんか色々と書いてしまいましたが、これ以上書くと自分の性癖やらなんやらまで暴露してしまいそうなので、ここまでとします。
 もしここまで読んで頂けた方がいらっしゃいましたら、お目汚しだったやもしれませんがありがとうございます。
 他の作でもお目にかかれれば、嬉しいですね。では。

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