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まだ完結もしちゃあいないのですが

落書きで抱負を述べてみたり
https://www.pixiv.net/artworks/86706853

続章のシーンを断片的に文字に起こしてみたりして

~二章冒頭(予定)~

薄暗い店内照明の影に隠れていた為か、対面に腰掛けるまで女の左袖から覗く金属指に気付かなかった。

 「義手ですか、あまり上等の物ではありませんね」
傍らの彼が先に声を漏らした。何故だろうか、小馬鹿にしたような響きを感じ取った。言葉面も矢鱈に攻撃的だ。

 「あぁコレ、そう珍しいものでもないでしょう?赤ん坊と然して変わらない甘えた坊やには無用の長物かしらね」
事も無げに振る舞う女、しかしあからさまに買い言葉であるのに違いはなさそうだ。

 「宅の亭主はトルソーが好みなもので、御独り身は御自身で始末をつけることが多くて大変でしょうね」
良くもまぁ互いにこうも矢継ぎ早に罵倒を返せるものだ。最早感心の境地で仲裁も忘れて聞き入った。

 「難儀な結婚生活ですこと、首まで落とされないように気を付けることね」
どうも矛先が私にも向きかけているようだ。切り上げて本題に入りたい所ではあったが、先に些細な疑問を片付けておこうと思う。

 「…随分親しげだが、何処かで面識でも?」
元来気を許すか敵意を抱けば饒舌になる彼ではあったが、どうも話を切り出した段階から後者に寄りすぎているきらいが有った。

 「…えぇ、昔に少し」
女は言葉を濁した、依頼の内容にも関わりがあるのだろうか。そんな疑問を抱き始めた私に呆気なく解答を寄越したのは矢張彼だった。

 「孤児院のシスターですよ、彼女は」
 
 「尤も、僕の記憶が正しければ当時は五体満足だった筈ですけど」

 「其れは此方のセリフよ、脱走の常習犯が今じゃ走れもしないなんてとんだお笑い草じゃない」

 「それ以上の侮辱は俺に対する挑発と取らせて貰う、良いから仕事の話だ」

 「あぁ、良い忘れてましたけれど、老けて見えますが彼女僕の六つ上ですから」
眼前の、涙目で震える女、いや少女に視線を落とす。此処までの態度の凡そが虚勢だったとは恐れ入る。どうりで癖のある雰囲気を出していると思ったが。


二章幕間(予定、地の文抜き)

「お前さんが寄越した情報と当局から流させた現場の指紋で簡単に割れたわい」

「素指晒してんですか、連中」

「方々出回っとる指紋だ『発見次第当該案件の情報封鎖を徹底する事此を厳とする』っちゅう走り書きが添えられとる」

「…そんなもの一体どんな伝手で?」

「65年から豪州SASでナムに従軍した折に外国人の顔見知りが何人か出来たんだがな、今じゃ一部がラングレーやらICPOやらの椅子を尻で磨いとる」

「…剣呑な同窓会ですこと」




有意義に新年最初の一週間を浪費しました、マジサーセン。

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