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送り人のアフターケア

 初七日も終わり多少は落ち着いたかと思い、病院に行くついでに線香の1本も立てて来ようかと思い付いたら即実行。
 年老いた両親が明らかに疲弊してるのが眼について…お節介ながらに「遺品整理はお済みですか?」って言ってしまった。
 「全然手につかない」「気が重く部屋に入れない」
 なるほど、年老いた身では布団を二階から降ろすのも大変だろうなぁ
 病院還りではありますがお片付け手伝います。 
 彼の部屋には時々お邪魔してましたから大した家具はなかった筈だしすぐに済むかと?
 一応立ち会って貰うとして…さて…センシティブな物体はどう処方すれば良いのか…
 と言うか…何の気配も残ってないな?
 普通はこう言う場はもっと薄暗く陰鬱な雰囲気が残る筈なのに?

 ご両親に許可貰いPCを起動、パスワードがわからない…そりゃそうか…これどうします?処分?ならハードディスクドライブだけは別個に処分すると良いですよ。そうです。物理的にハンマーでガツンとヤって下さい。彼が喜びます。ナニよりもの供養かと。
 布団やらの重量物は我がアラフィフちからを駆使して狭い階段から一階に
 このテレビとゲーム機はどうしますか?多分まだまだ使えますが?使えるなら使ってください。そうですか…車に入るかな?
 彼に貸してた狩猟用のアレコレは返却して貰いますが大丈夫ですか?えぇ…それ以外も使えそうなの全部持って行ってとは…車に全部乗るかな…?

 流石にこれ以上は無理です…
 と言うか今ゴミ袋に放り込んだのは彼が愛用してたアイコスでは?それはダメです、せめて仏壇に供えて下さい、そこの半分以上残ってるヤツとセットで。
 
 さて押し入れは…ってなんじゃこれ!?

 予想よりやベーヤツ出てきた!?

 死体とかダッチ妻とか空気嫁だったらどんなにマシだったか…

 彼の尊厳のために此以上の明記を避けるが…そうか…
 
 遺書やメモなど一切無かったから変だとは思ったが…

 自殺ではなく事故だったのかもしれないのか…

 これは遺族に言えない。
 真実に限りなく近いだろうけど言えない。

 だから此処に書き残します。

 どうせ誰も見てないだろうから。

















































 「貴様、視ているな?」

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