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『マレビトとスラッガー』への感想

小鹿様の企画「【感想】文学性の高い作品、集まれ!【書きます】」
に参加しましたので、感想投稿用のノートです。
歴史物でもなく、純文学というほどかっちりした文体ではありませんが、感想頂けますと幸いです。

①一番好きな登場人物:松川輝(主人公)
②好きなセリフ:『お前みたいに気楽に勝負を楽しんでいられるほど、こっちには才能の持ち合わせなんてないんだよ。』
(少しこの物語の本題とはずれますが、1万字以内で好きなものを、となるとこれかなと思います。)
③キリの良い話数:「2回ウラ. 再び出会う」
④具体的な読者想定:10代後半〜30代。日々の生活に不満、不安を持つ学生、社会人


登場人物として個性があるのは主人公と出会うマレビトだとは思いますが、読者に感情移入して欲しいのは彼に振り回される主人公です。履歴を見ていると2話までで切られているケースが多く、最後まで読んでもらえるような読みやすい文章を目指して現在試行錯誤中です。その辺りも含め批評いただけるとありがたいです。

2件のコメント

  • 企画へのご参加、ありがとうございます
    遅くなりましたが、感想レポートです

    【総評】

     構成やキャラクターの心情変化など、よく練られており、文章自体も読みやすい。しかし、物語が、台詞とその間にある主人公のモノローグとばかりで進行するために、小説としての評価は高くはない。

     
     本作に決定的に足りないものは、読み手に場面を描かせるに足る諸情報の描写です。

     真っ白な紙とペンを用意してください。そして、「1回ウラ. 出会う」の冒頭から、提示された視覚情報のみをもとに、場面を描いてみてください。
     背景画が描けません。主人公に話しかけてきた「人物」が人間であるかも確定できません(宇宙人的なフォルムを想像しました)。

     本作において、読み手は、物語の「絵」を具体的に読み取れないために、物語の内容理解を諦め、離脱してしまうのではないかと推察しました。
     挿絵を載せられたり、もしくは、本作が漫画であれば良かったのですが……。

     作中に求められる視覚情報は、慣れないうちは冒頭にて一括で説明してしまいましょう。しかし、それでは味気ないと思えてくるようになるでしょうから、次第に、描写へと移行されるはずです。


    【場面の切り替えについて】

     回想、時間の経過共に「〜〜」が用いられるので、何度か時系列を混同しかけました。

     「4回表. 競う」でのバスを降りるシーンや、「6回表. 戦う」での複数回は、「〜〜」なしで続けて書いても問題ないと思います。

     「〜〜」で時系列を区切ること、特に過去回想に入ることは、小説技法としては稚拙です。漫画なら、枠線の種類とか、背景とかで、わかりやすく切り替えられるんですけどね。

     場面切り替え、難しいですよね。
     読み手に、ここはいつどこでのお話ですとしっかり提示しなくてはいけないわけですから。

     場面切り替えは、「脳内舞台」を書き換えさせる行いであるために、読み手の負担となり、集中力の途切れを引き起こします。
     なるべく、場面切り替えは少ない方が良いです。

     「4回ウラ. 迷う」は、冒頭で全話の結果を述べてから、本題に入っています。「ヒキ」を狙ってのことなのでしょうが、本作においては、あまり効果はないようなので、冒頭部分は全話部分に組み入れた方が読みやすいでしょう。

     確実な手法は、藍色さんも行なっている通り、話数ごとの冒頭で、○月×日@場所 と記すことです。
     ですが、これは小説としてはあまり好ましくはありません。もし、より文芸的な方向性を求める場合、直接的な説明に頼らない描写が求められます。


    【その他、細かいこと】

     「先に謝っとくわ。堪忍な。」とか、シュウくん良い子ですね。好きになりました 笑。

     えっとですね、本題です。

     どこだったか、記録してないのですが、「少なからずになる自分」との文言がありました。修飾語が抜け落ちています。

     あと、「?」の後ろには、全角スペースを入れる作文作法はご存知でしょうか? 敢えて無視しているのならかまわないのですが、スペースがある方が読みやすくはあります。

     それから、「「はい」」の表現は、悪くはないのですが、「声が重なった」とか地の文で表現した方が、より好ましいです。

     あと……個人的には、「プレイボール」はいらないかなぁ……と思います……。せっかく追加されたようなのですが。
     と言いますのもね、これは本当に好みの問題なのですけれど、私は、冒頭にポエティックな回想や煽りが入るのは、あまり好きではないんですよ。「私はこのとき、まだ知らなかった」的な。こういう本質を付かない、装飾過多な文章は、読み手の心を掴みません。
     冒頭は物語の顔です。カクヨムには表紙絵もないですし、読み手が作品と打ち解けられるかどうかの役は、冒頭が大いに担っています。
     ですから、冒頭には、最も有用な一文、シーン、人物の提示がなされて然るべきだと考えているんです。
     本作でいえば、突然現れた「まれびと」。彼に対する驚きや恐れを早々に提示して、読み手の疑問を引き出し、次話へと進めさせたいところです。




     以上です。ありがとうございました。
     主人公の葛藤や、心情変化がよく描かれており、とても面白く読むことができました。
     それだけに、「1回ウラ. 出会う」における視覚情報の欠如が惜しいです。

     あ、『星の王子様』とか参照してみると良いかもしれません! 彼もまた、不思議系な客人です。
  • 感想レポートありがとうございます。大変ためになりました!

    【総評について】

    主人公の心情にフォーカスを当てたいあまり、”それ一辺倒”の表現になっていたことに気付かされました。読者の想像力に委ねて必要最低限の描写にしようと考えていたのですが、やはり自分の頭で描いた情景を共有していただくことも大切ですね。

    【場面の切り替えについて】

    これは要反省ですね。結構回想を多用するので、注意しながら書き直します。

    【その他細かいところについて】

    ①2回ウラの「少なからずになる自分」⇨「少なからず前のめりになる」の誤植ですね。指摘いただきありがとうございます。

    ②「「はい」」については特にこだわりはなかったので直しました。

    ③「プレイボール」については今でも迷いはありますが、消さない方向で進めます。意図としては

    ・マレビトシリーズは今後も続くため、あらすじのような章が最初に一つ欲しい

    という点ですかね。



    視覚に限らず五感の情報からアプローチする部分はどんどん加えて行こうと思います。ありがとうございます!! これまでの修正に加え、ここからの展開にも活かしていけそうです!

    キリのいい部分までだけでなく、本当に後半部分まで読んでアドバイスいただき本当に助かりました! 今後とも読んで感想いただければとても嬉しいです! ありがとうございました!!
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