一条めぐる

夕焼けの放課後、"タルトさん"は手紙をこちらに差し出した。 誰から？　と聞いても彼女は「はて？」と答えるだけ。 私は思った。この人はきっととてつもなくアホなのだろう、と。 彼女…

いつも通りの何気ない、味気ない帰り道。 自分の足音に重なるように響く、もう一つの足音。 そいつはアパートの近くまでずっと着いてくる。 「オタクのストーカーしてどうするよ。普通は逆…

　とあるところに双子がひとつ。彼女たちはことばを反響させ共鳴し、自我をつくりあげた。 渡瀬朝奈は妹だった。なにをするにも姉と一緒なら楽しかった。 　仲道旋花と出会うまでは。 ※…