残念ですが陛下、スローライフはお預けです。
第三十五話ギントVSドゥーク②にて主人公ギントの身体能力における強さを秘密を追記しておきました。
読み返すのが大変という方に記載しておきます。
へその下辺り、丹田と呼ばれるところに常に力を入れて生活することで全身を流れる魔力は滞留し、力を抜くことで身体から放出され《魔力纏》は完成する。魔力纏は効果中、集中力や身体能力が向上し打たれ強くもなるが、効果が切れると魔力欠乏症に近い貧血症状や息切れを起こす。
ギントが行っているのはそんな魔力纏の一つ上《超魔力纏(アルティメットルーティーン)》。滞留と放出を強めたものを繰り返し行うことで、瞬間的な超人状態を強引に引き起こす。魔力を一瞬で濃縮させ一気に爆発させる。
濃縮、爆発、濃縮、爆発、濃縮、爆発──。
一秒間の超人状態と一秒間の脆弱状態のループ。そんな常軌を逸したルーティーンを寝ている時も遊んでいる時も風呂に入っている時も目眩を気にせず行うことで持続を可能した。
濃縮と爆発の速度を早めれば半永久的に纏うことも理論上可能だが、それは飽くまで理論上の話。リズムが少しでも狂うと内側からカラダが裂けるような相当な負荷が掛かってしまう。ギントのソレに間違いなく隙はあるが、心臓の鼓動に合わせて繰り返すことで緊急時は弱点の大部分をカバーした。運動量が増え鼓動が高鳴るタイミングには完全に隙を無くすことが可能となり、長引けば長引くほど相手は不利になる。問題は一秒おきに身体がだるくなって目眩に襲われることくらいだろう。
デメリットは相当なものですが、圧倒的な精神力と胆力が為せる業となります。要は慣れが必要ということでギントの旅の過酷さ、少しは覗けたのではないでしょうか。