皆様、こんにちは。
下東です。
連載中の短編『夏の思い出日記』、
23日(金)のレンの出来事を記した思い出日記を公開しました。
夏の思い出日記 〜カッパさんとの夏休み〜
https://kakuyomu.jp/works/16818093082981213796(十一話構成・一万文字の短編、毎日午前11時30分更新)
家に閉じこもるレン。
自分を取り巻く曇り空。
レンが笑えない原因の一端。
それが分かっていても心の歯車が回らない。
レンの本当の思いはどこに――
レンとカッパさんとの夏休み。
よろしければ、ぜひ一緒にお楽しみいただければと思います。
Tune of the Day : Livin' on a Prayer / BON JOVI
https://www.youtube.com/watch?v=lDK9QqIzhwk ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
心に刺激が欲しくて、朝っぱらから DEAD KENNEDYS(米国のハードコアパンクバンド)をずっと聴いていました。
「あぁ、俺の創作の原点は音楽だな」
ふとそんな風に思いました。
別に作曲とか作詞をしていたわけではないです。そんなスキルは持っておりません。
文章を書いておいて何ですが、私は本とか全然読んできませんでした。ですので「好きな小説は?」とか「影響を受けた作家は?」とか聞かれても、答えることができません。全部我流。小説にお作法があるのを知ったのも、処女作の長編を公開し終えた後でした(笑
んじゃ、自分の発想・創作の原点は何だろうといえば「音楽」なのかなと。しかし、私には音楽で何かを表現することはできない。でも、何も成し得ていないクソみたいな人生を送る中で、何か死んだ後にも残るものを。文章を書けるかは分からないけど、少なくとも字なら書ける。で、手を出したのが小説でした。
前述の DEAD KENNEDYS のアルバムを初めて手にした時、「コミックバンド的なハードコア?」とかって思いました。曲名リストに並ぶ "Kill the Poor(貧乏人を殺せ)" だの "I Kill Children(俺は子どもたちを殺す)" だの PTA が見たら卒倒しそうなタイトルが並んでいたので。
聴いてみたら全然違いました。
"Kill the Poor" は、弱者から死ぬまで搾取しようとする世の仕組みを皮肉たっぷりに歌った曲。"I Kill Children" は、ずっと虐げられてきた弱者がさらなる弱者(子ども)を道連れにたった一日だけの王様になろうとする歌。"Nazi Punks Fuck Off" も反ナチスの歌かと思いきや「てめぇの頭でよく考えてから行動しろ!」っていう歌でした。全部自分の解釈だから正しい解釈かはわからないけど。
先程その "I Kill Children" を聴いていたのですが、ボーカルのビアフラが叫ぶように歌っていました(歌詞そのまま載せるのはマズいと思うので、私の意訳で)
"これまで徹底的に虐げられてきた"
"ひとりでも多くの道連れを。誰だって一日だけの王様になれるんだぜ"
寒気がしました。同時に悲しくなりました。
知りたくもない犯罪者の心理。そんな心理を生み出した世の中。
日本でもこんなような事件があったように思います。
「何かおかしくないか?」「何か狂っていないか?」「どうしてこうなったんだ!」
ビアフラの "So I kill children!" という叫びにそんな思いが込められているように感じました。
この辺に私の発想・創作の原点があるような気がします。
まぁ、自分でも青臭い思想な気がしますが、でも目をそらしたい事柄を「青臭い」で一蹴するのもどうかなと。
だから、私はひとの心をえぐりたい。目をそらしたいことを突き付けたい。自分の心に渦巻く怒りややるせなさを共有させたい。そんな考えが自分の心の根底にあるような気がします。その辺が長編の『コンプレックス』をはじめ、短編の『線を描く(After Story 含む)』『イチハヤク』『檻の中のポチ』『約束』『春、旅立ちの季節』『逃避行』あたりに如実に出ているように思います。『サンタクロースの来ない家』や『宝石姫』、『勇者と聖女と鬼女(「ふたたび」含む)』にも色濃く出ているかも。
ただ、そんな思いがあっても、スキル不足でベッタベタな内容のモノしか書けない悲しさよ。作文レベルから脱したい(笑
前述の DEAD KENNEDYS の楽曲をはじめ、原爆を歌った DISCHARGE の "Never Again"、戦争の悲惨さを歌った METALLICA の "One"、ナチスの残虐行為を歌った SLAYER の "Angel of Death"、性犯罪被害者を歌った DARK ANGEL の "Time Does Not Heal"、子どもへの性的虐待を歌った MOTÖRHEAD の "Don't Let Daddy Kiss Me"、驚くような黒人差別を歌った PUBLIC ENEMY の "911 is a Joke"、全体主義を批判する NINE INCH NAILS の "Survivalism"、差別の真実を訴える BODY COUNT の "No Lives Matter"……そんな楽曲たちから影響を受けた文章に「救い」「赦し」というエッセンスを加え、時に「絶望」というスパイスを加え、自分の文章は出来上がっていくのかな……と思います。
自分の創作の原点をふと思い直し、文章に残したいと考えて書きました。
自分語り、ウザくて申し訳ございません。
でも、文章にしたことで自分のことが少しだけ分かった気がします。
ヘッドフォンから爆音で流れる NINE INCH NAILS の "Gave Up" を聴きながら。
2024年8月24日
下東