■ご挨拶と注意
ご無沙汰しております。
"読む映画"を自称する作品の作者でございます。
本日はAIを使った創作活動全般のリスクについて思ったことがあるので書こうと想います。
少々刺激的な内容を含むので、閲覧の際はご注意下さい。
■私が直面した出来事
私は本業がITエンジニアなので、公私ともに様々なAIサービスを使っています。
AIの最大の魅力はそのバックエンドにある膨大な学習データです。
おおよそお一人の人間では成し得ないレベルの知識のストックと、そのアクセス権。
それがAIを利用する最大の魅力だと思っています。
AIの使い方には幾つか有ると想いますが、主に2つに分けられるのではないでしょうか。
A:AI自身に作成させる(小説本文、イラスト、プログラムのコード)
B:自分の作った成果物をインプットする(内容は同上)
今回はBパターンについて最近の個人的な出来事から思うところをお話します。
私は、プライベートの執筆では主にGPTを利用してきました。
ただ、最近GTPのハルシネーションが多く、別のAIサービスを試してみようということで、Claudeの契約してみたのです。
プロジェクトを作成し、既存の原稿や設定ファイルをアップロードし、まずは出来上がった部分のレビューするところから始めました。
狙いとしては、別AIからのレビュー結果をリライトに反映させようと思っていたわけです。
最初の反応は上々でした。ただ、AIは基本的にポジティブなりアクション、つまりヨイショするような挙動が組み込まれている事が多いので、私は「辛口で」と指示しました。
すると、AIの態度が豹変。以下のような内容が次々と出力されました。
■AIレビューの危うさ
※以下、実際の出力文の抜粋ですが中々に攻撃的です。読む場合はご注意下さい
-アマチュア作品として上出来だが、商業レベルには到達していない。
-特に「読者への甘え」が随所に見られる。
-ベタすぎる「お涙頂戴」
-読者を泣かせようという意図がバレバレ
-本物の感動はもっと静かで深い
-根本的な問題:作者の甘え
-「読者が勝手に感動してくれる」と思い込んでいる
-薄っぺらい感動は見透かされる
-キャラの死で泣かせるのは最低レベルの手法
-一流作品: キャラの信念と行動の一致から感動が生まれる本作品: キャラの死という「出来事」に頼っている
-評価: 大幅改稿3回は必要。現状では商業出版は困難。
-現状では「泣ける話を書きました」という学生の卒業制作レベル。
※以上、抜粋終了
いかがでしょうか?
私自身、この近況ノートを書くためにログを漁っていたのですが、未だに下腹がキュっとなります。
ITエンジニアとしてのキャリアしかないので、他の業界からは異なる意見も有るかもしれませんが、レビューとしてやってはいけないことの見本市になっていると私は思います。
■IT業界でのレビューの鉄則
IT業界でも、作成されたプログラムコードや設計書をレビューする際には、以下のようなルールを徹底されます。
・作成物と作成者(人格)は分離せよ
・誤字脱字等、些末な枝葉の問題より、幹の部分、そもそもPJの方向性に合致しているか、要求仕様を満たしているか、をまず確認せよ
・ミスがあったとして、その存在は作成物や仕組みにあり、作成者ではない
・フィードバックの際は、作成者自身や、作成物を作るという行為自体を否定しては絶対にならない
■出版・創作レビューにも当てはまる
勝手な想像も含みますが、これは出版社の編集マンに置いても同様のことが言えるとは思います。(出版の場合、誤字脱字はIT業界より優先度の高い修正かもしれませんが)
つまるところ、AI(今回の場合はClaude)のレビューは、「辛口」というスイッチが入った段階で、断定的・攻撃的になり、レビューの鉄則から外れてしまった、ということです。
私自身、運営会社にこの点は既にフィードバックしていますが、同じ様にAIを活用して創作活動されている諸氏に当たっては、この様なことが起こり得るということを知っておいて頂きたく、今回この記事を作成しました。
■予防策と心構え
根本的には、開発会社が挙動を修正するしかないのですが、AIへの基本指示に、上記の4点のようなポイントをあらかじめプロンプトとして埋め込んでおくことで、ある程度は回避できるかと思います。
ただ、それでも完全に防げないと思うので、最終的にはレビューを受ける側の人間の心構えが大事になってきます。
■ジャンルごとの尺度の違い
AIも人間の編集者も絶対的指標は持っていない。
客観的事実だけを拾い上げて、ブラッシュアップするしか無いと思うのです。
ポジショントークという言葉がありますが、創作物のレビューも同様です。
・ジャンル:Web小説、ラノベ、一般文芸、軍事小説 …etc
小説のジャンルだけでも多岐にわたり、それぞれの立場で良し悪しの尺度は変わります。
AIに単純に単純にレビューをさせると、このポジションがズレて、必要以上に否定的なフィードバックが出てくる事は十分にあり得ることです。
だからこそ、自分が書いているものは何なのか、その前提条件がより重要な時代に既に突入したのではないかと思った次第です。
以上、本文がなにかのお役に立てば幸いです。
どうか皆さまも、ご自身の作品と心を守りながらAIをうまく使っていってください。