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ピカレスク・ニート番外編4 第二章までの総括④

友達ができました?編について。

解体した『有翅種戦記ダンブーガ』の愛すべきバカたち、甘粕、針生、星崎とタケルくんが友達になる回です。甘粕、今見ると名前が士郎ですね。たまに志郎になってたりしますがご容赦くださいm(_ _)m 

総括②でも触れましたが、三人は『有翅種戦記ダンブーガ』からの出向組です。甘粕は熱血な小隊長として正義と良識を持って、針生と星崎という不良ふたりを引っ張っていく役割を持っていました。その時も甘粕はふたりより1~2歳は年上の設定だったのですが、同級生ということで性格を改変させることにしました。『有翅種戦記ダンブーガ』本編ではあまりに真面目すぎて冗談が通じない甘粕に対して、針生と星崎がその勢いに便乗するシーンがありました。「そうだそうだ!」「隊長の言うとおりやん」みたいな。それをヒントに甘粕を大ボケキャラにしてみました。そうしてタケルくんたちへのファーストコンタクトを考えたとき、『学校に行こうよ編』で校門前に集結していた百理、ベゴニア、カーミラあたりを好きになってしまって、タケルくんに詳細を聞いてみるというイベントを思いつきます。でもベゴニアは暴力体育教師だし、カーミラが登場したときはそんなに目立っていなかったし、じゃあ百理? 近いけどちょっと違うなあ。あのシーンで一番目立っていたのは……アウラか。エアリスさんが子持ちということが一番インパクトあったのだから、アウラに一目惚れさせよう。ついでにロリ……こども好きということにしてしまおう。でもその設定とバランスをとるために本人のスペックは高めにして、大ボケキャラで高スペックでロリ……という残念なキャラにしました。そうして、エアリスに本気の制裁を下されるほどの自爆キャラが誕生してしまいます。針生は空手を子供の頃からしている設定以外はそのまま。星崎は『有翅種戦記ダンブーガ』ではそこそこナンパの成功率も高いプレイボーイキャラでしたが、学生ということで鳴かず飛ばずの三枚目になってもらいましたw 

『ピカレスクInダマスカスの章 プルートーの鎧編』

いずれ、タケルくんとアダム・スミスの激突を漠然と意識したとき、歩兵拡張装甲を出してそれと戦うシーンを思い描いていました。戦いのコンセプトは『アイアンマンVSガンダム』というのは決定済みでした。せっかく人工精霊を作ったのだからそれを使用した魔法戦闘を書いてみよう、そう考えた結果、プルートーの鎧編が誕生しましました。常時ドレインと引き換えに破格の力を与える呪いのアイテム、それがプルートーの鎧です。タケルくんのかっこいい戦装束のお披露目回なのに、実は後半では弱体化させるつもりでいました。というのも幼馴染、綾瀬川心深とのエピソードを考えたとき、タケルくんはある程度人間寄りに戻っていて、なおかつ大怪我を負っている方が、内面と外見でそれぞれ『変わってしまった』姿が強調されるだろうと考えていたからです。

何はともあれプルートーの鎧を着て、さっそうとG.D.Sのメンバーを助けに行きます。対人戦闘は当然蟻と恐竜の戦いになるだろうと。魔法も加味した戦闘力なら第五世代の最新鋭戦闘機とタメを張れるくらいはがんばってもらいました。ドッグファイトのシーンはホント、アイアンマンのトニースタークがマーク3を完成させて、義憤に駆られてテロリストをぶっ飛ばし、その後地域を監視していた米軍の監視網に引っかかってF-22に追っかけられるシーンをオマージュしていましたw

意外と苦労したのは戦闘機パイロットの会話です。ロシア軍の兵士だとどんなことを言うのか全くわかりませんでした。世にあふれるメディアや映画では戦闘機のパイロットといえば英語で『トップガン』も『アイアンマン』も『ステルス』も米軍の会話や儀礼が出てきます。ロシア空軍を舞台にした映画ってないですよね? なのでロシア空軍の会話は今でも超不満です。こんな喋り方しねーよと。でも「ウラー!」とか叫ばせるわけにもいかないので今後の課題ということで^^; 

『暴虐と再会の空編』について。

ここではアダム・スミス側の勢力とタケルくんが戦場でバッティングします。なんとか、なんとかセレスティアとタケルくんを戦場で会わせたい。苦肉の索として、虚空心臓が停止してしまったタケルに動揺した真希奈が不用意に発した全方位通信をアメリカ軍の監視網が傍受する、それをセレスティアが聞いて行動を起こすというものでした。

そのためには普段地下施設に引きこもっているセレスティアを第六感や予感など適当な理由で地中海まで連れてくる必要がありました。実はこの時、マリアとセレスティアの会話で化学反応が生まれて後に友情を予感させるやり取りがされます。タケルくんは聖剣の暴走で魔力を吸い尽くされて魔法使用不能で、クリムゾンジハードをぶっ飛ばしたときとは比べ物にならないくらい弱くなってしまいました。そんなタケルくんに容赦なくトドメを刺すセレスティアさん。知らなかったとはいえ、子供の怒りは恐い。最後、テロリスト、マリア、セレスティアとそしてエアリスと、かなりのごちゃまんになりますが、ここでセレスティアとエアリスさんの啖呵の切り合いが後の『聖夜の動乱編』を生むきっかけになります。

蛇足として、一番読者様に不評だったと思われるのが、タケルくんがせっかく強くなったのに、なんで弱くするんだ、というものでした。つまりプルートーの鎧編でようやく魔法を使いこなしていたのに、聖剣の力が暴走して魔力が制限されてしまい、不死性も失われてしまった。どういうつもりなんだと。

ヤキモキさせて大変申し訳ありませんでした。理由としては後の幼馴染との再会を考えてというのと、個人的にはボロボロになって戦う主人公が大好きというのがあります。サザンアイズの八雲くんとか不死身なのに常にボロ雑巾ですよね。あんな感じで血まみれドロドロで戦う主人公が好きという私の趣味が影響してます。最後にサランガをカッコよくやっつけてもらうためのカタルシスのための演出という面もありました。

でもボロボロにしすぎたために、どうやって一命を取り留めさせようかと考えたのが、吸血鬼カーミラと肉体的精神的に繋がって、彼女のスキルで回復するというものでした。ついでにタケルくんにも大人の階段を登ってもらいました。最後にカッコいいヒーローになるんだし、ひとりくらい不慮の事故的に女性経験があってもいいかもと思いました。嘘です。セーレスやエアリスに罪悪感を抱いて悶えるタケルくんが書きたかっただけです(笑)。

『変わりゆく世界編』

ここでは設定とキャラの立ち位置を整理するお話でした。SFです。アダム・スミスがなぜ魔法世界にいたのか、そしてこれから何をしたいのか。その正体も含め詳(つまび)らかになります。セレスティアの正体、そしてアダム・スミスがタケルから奪う形で地球へと連れてきたセーレスの存在。それらを全て受け止めて、マリアは自然と行動してくれました。地球で生を受けて以来ずっと孤独だった精霊セレスティアの親友になってくれました。アダム・スミスの設定よりもそっちの方がずっと重要でしたねw そして、マリアがすっかりいい子になったセレスティアを連れて日本へと向かいます。アダム・スミスの計画ではまず最初に日本の陸自に歩兵拡張装甲を与えて、そこで作成した教育プログラムとセットで世界中に歩兵拡張装甲を供与するつもりでした。それも彼が10年後に想定するサランガの撃滅に備えるためですね。

『追いすがる過去と今編』について。

幼馴染、綾瀬川心深とのエピソードは、実はタケルくんが異世界で初めて目覚めた辺りからずっと書きたいと思っていたエピソードでした。異世界でとんでもない経験をして人が変わってしまったタケルくんに戸惑う心深ちゃん。特に彼女とのエピソードの前に、プルートーの鎧編を入れて、タケルくんが不死身じゃなくなって全身ボロボロだったり、大人の階段を昇ったことが彼女とのラブホIn描写に繋がったと思います。自分がずっと好きだった幼馴染の男の子。他に好きな女ができたと言われても恋心は止まりません。聞き分けのない幼馴染に対して、口で言ってわからないならカラダで思い知らせるとばかりに、タケルくんは包帯を解いて自分のカラダを見せつけます。好きな男の子と初体験を期待していた心深ちゃんは、タケルくんの傷つきまくったカラダにショックを受けてゲーゲーしちゃうと。希望から絶望への転化ですね。我ながら好きだなあこの展開と思います(笑)。ちなみに私の中で心深ちゃんのビジュアルイメージってまるっきり渋○凛です。お気づきのヒトはいっぱいいますよね(;´Д`)

我ながら手探りだったのが、『聖夜の動乱編』になります。

帰ってきた幼馴染様というように、心深ちゃんの拗らせた恋心を搦めて、タケルくんたちがセレスティアと街中で戦うお話です。『暴虐と再会の空編』からエアリスとセレスティアをガチで戦わせたいなーと考え、なんとか心深ちゃんも絡められないか、と考えていました。そのために作ったのが、心深ちゃんの言霊の魔法設定です。マリアと友達になったことで精神的に安定したセレスティアですが、彼女を再びキレッキレに暴走させるために、まずアダム・スミスによって洗脳された心深ちゃんを使ってさらにセレティアを洗脳するという面倒な手段を取りました。見た目は大人だけど中身は小学生のセレスティアにショックを与えるならやっぱり醜い性のイメージだろうと考えましたが、心深ちゃんにそんなイメージは無理だろうから、アダム・スミスの片腕、秋月楓にトラウマ設定を作りました。でも一番大事な着地地点は、セレスティアをタケルくんの陣営に味方として迎え入れること。なので、父親に性虐待されていた楓のイメージを植え付けられ、母セーレスの想い人=自分の父親であるタケルくんに憎悪を懐きつつも、心の奥底では父親を求める純粋な気持ちが戦いの最中にも沸き起こってくる、という苦しい演出をしました。セーレスの凶刃を自ら受け入れ、自傷することで彼女を正気に帰したタケルくん。束の間、父と娘として気持ちを通わせますが、やっぱり希望から絶望へ! 楓に操られた心深ちゃん全力の言霊により、セレスティアは街中の人々を巻き込んで世界を壊そうとします。もうどうやって収拾つけるんだと。ご安心ください。そのための『高次元情報生命量子結合体』設定です。覚醒した精霊魔法使いエアリスさんによって、快刀乱麻のごとくみんな救われます。告白すると、このエピソードは最終章、『地球英雄編』の練習でもありました。演出がまるっきり同じなんです。希望→絶望→覚醒って流れが好きなんですねホント。

『魔族種VS人造魔法師編』

ついにセーレスを取り戻すため、タケルくんがアダム・スミスと直接対決するお話です。異世界では大罪人になったタケルくんだけど、地球ではヒーローにしようと思いましたが、この時点ではまだ国際テロリストとして指名手配までされてまったく悪者です。個人的に気に入ってるのが指名手配され逃亡生活をしていて、物資が不足して友達を頼るエピソードです。自分の正体や目的を、タケルくん自ら三バカなどに話して理解をもらえる嬉しい展開です。どうせ言ってもわかってもらえない、相手を巻き込むくらいなら黙っていよう。自分のことを話すなんて相手に負担かも。そんな恐怖を乗り越えてまたひとつニートを卒業するタケルくんです。これは本当に、私が意図したものというより、アダム・スミスとの戦いになれば、世界中がタケルくんを非難するはず。せめて真実を知っていて、タケルくんを応援してくれるヒトがいれば、と考え、キャラも自分から動いてくれて、自然と出来上がったエピソードでした。

さて、噛ませ犬で後にマリオネットになるF−22ラプターとタケルくんの戦いはおいておいて。ここで重要なのが超巨人『ダンブーガ』です。はい、『有翅種戦記ダンブーガ』の最終決戦兵器でした。でもピカレスクで出てきた『白き花弁のダンブーガ』ほど『有翅種』のダンブーガは強くはありませんでした。魔原子炉を利用して人工的な魔法が使えるという設定もありませんでしたし、イオンクラフト装甲なんてありませんでした。この戦いのコンセプトは、上記でも言ったとおり『アイアンマンVSガンダム』です。ちっこいのがでっかいのに立ち向かう。ワンダと巨像、あるいは仮面ライダー響鬼が巨大魔化魍に立ち向かう的な展開は胸熱です。しかもタケルくんは魔力がセーブされた状態で、鎧もプルートーの鎧ではなく、強化繊維の戦装束。それが自分のフルパワー四倍の出力でプラズマ化した相手に取り付いて、愚直に拳を振り下ろすってだけでワクワクが止まりません(笑)。

忘れてはならないのが、アダム・スミスとタケルくんの会話ですね。人類史を受信してしまったがために、不老になってしまったアダム・スミス。そう彼は不老であっても不死ではありません。でも200年を生きている人類という群体の王です。一方タケルくんは個の極限ではありますが、まだ15歳の子供です。これから気が遠くなる程の時間を生きていくタケルくんにその覚悟があるのかと、お前のセーレスへの感情はどうせいつかは消えてしまう無駄なものだとせせら笑うのです。馬鹿ですねえ。いずれ死んじゃうんだから誰も好きになるな、なんて。その言葉は全部自分に帰ってくる言葉だとアダム・スミスもわかっていましたが、言わずにはいられませんでした。

『地球英雄編』

いよいよ最後です。今まで出してきたキャラたちの総決算。へっぽこアダム・スミスの未来予想より10年も早く地球へとやってきた都合三回目のカタストロフ、サランガという侵略者。『有翅種戦記ダンブーガ』がすでにサランガによって支配されつつある地球のお話だったのに、ピカレスクのサランガは滞在時間が一日にもなりませんでした。今までタケルくんと深い縁を結んできた主要キャラ全員に見せ場を作り、そしてそれを覚醒したタケルくんが助けに行きます。

『人類の剣の復活』は歩兵拡張装甲というギミックがもっとも上手く描けたのではないかと思います。マリアというキャラクターは『有翅種戦記ダンブーガ』でもピカレスクでも最強のパイロットです。そんな彼女が上司の思惑に翻弄されて、やっぱり人間として女の子として、セレスティアを傷つけた以上に彼女もまた傷ついたのです。結果、任務を放棄してしまうという、軍人だろうが社会人だろうが一番やっちゃ不味いことをしてしまいます。でも否応なしにサランガが攻めてきてしまい、母娘を助けるために力を欲するようになります。マリアは自分と同じ名前の麻莉愛を助けることで自分も助けたのだと思います。母親のもとに元気な麻莉愛を送り届けることで、すでに父とのわだかまりはなくなっていましたが、今度は心の奥底で体験した母の死を乗り越えたのでしょう。多分。

いやそれにしても、自分でもやりすぎなくらい、サムラオウはハイスペックな機体になってしまいました。近接格闘戦能力だったら『白き翼のダンブーガ』より上ですね。イオンクラフト装甲プラズマバーストモードで穴熊でも決め込まないと、サムラオウの機動に翻弄させれてどうにもならないかも…?

『地球英雄編2』
ふたつの心臓の設定は、地球編を始めるにあたって、サランガを最後の敵とした場合には必要になるだろうなとディーオと出会った頃から、『プルートーの鎧編』あたりで明確に決まりました。ディーオとの心象世界での会話などは、最初真っ暗闇の不思議空間で行うつもりでしたが、ディーオの知識や記憶をタケルくんは知ることができるなら、その逆としてディーオもタケルくんのちっぽけな人間だった頃の記憶を閲覧することもできるのではないかと思いました。そう言えばティーオのヴィジュアルイメージは尊敬する流星香先生のプラパゼータシリーズから精龍王ディーノを頭の中で描いていました。ディーオはエアリスを拾ったくらいにはもうすっかり老成してましたが、タケルくんが垣間見た記憶の中では暴れん坊で手がつけられませんでした。その頃の暴虐な感じは完全にディーノを意識してますねw そして、魔力=光という四大魔素以外の力を手に入れてしまったタケルくん。いよいよ主人公っぽくなってきました。自分自身が太陽となって黒い太陽を相殺するシーンは、象徴的なシーンとして、ツイッターの宣伝イラストを手掛けたときから意識していました。このラストを目指す、必ずこうなるように物語とキャラを導くと、不断の覚悟で望みました。なんとかそこまでやり遂げることができて、今はひたすら胸をなでおろしているところです。

 *

さて、長々と書いてきましたが、大体お披露目できるネタは全部かと思います。
本当に、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
次回から異世界救済の章が始まります。
こちらはあまり重い展開は考えておりません。
元ニートであるタケルくんが、いよいよ三代目としてのお仕事に邁進する話です。
そうしながら、エアリスさんやセーレスさんとの恋仲を書いてけたら面白そうと思っております。
地政学や地球側との経済や人材交流を意識したエピソードなども考えています。
投稿までもう少々お時間くださいませ。
失礼致しますm(_ _)m

2件のコメント

  • 早く、セーレスとアリエスといちゃいちゃしてるのが見たいです(^O^)
  • mshimi様、近況ノートにコメントありがとうございます、Ginranです!

    そうなんですよね、やっぱりそれを求めてくるのが普通ですよね。

    ですが魔法学校編が終わるまでは――なんてことはなく、魔法学校篇の序盤が終わったら途中で彼女は出てくる予定です。

    なかなか、タケルくんは最初からセーレスさんとエアリスさん両方とイチャイチャしていたわけではなく、セーレスさんのことを好いているのにエアリスさんにも感謝と愛情を抱いている自分自身の気持ちに戸惑うようになります。

    そして学校編が終わると龍王の帰還篇が始まり、不法に占拠された龍神族の領地を取り戻しにいくお話が始まります。

    当然取り戻すだけでなくその領地を治めることになるので、タケルくんはセーレスさんとの関係をしっかりさせようと改めて告白することになります。

    なかなかヤキモキする展開が続くと思います。そうやってピカレスクではイチャイチャするまでが長かったから異世界嫁を書いたんですよww

    ピカレスクよりもイチャイチャするためにお話を考えたわけですw

    まあピカレスクのイチャイチャイベントは入れられそうなところには付け足していく予定ですのでご安心くさださい。
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