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ピカレスク・ニート番外編4 第二章までの総括③

引き続きの私感満載の解説になります。

真希奈について。

小説を書いていると、自分のこれまでの歩み、過去にどのようなことを勉強してきて、どのようなモノが好きだったか、嫌いだったか、どのような人間関係の中にあったのかを垣間見るときがあります。走馬灯が一瞬で終わってしまうのに対して、それら人生の振り返りは、小説を書いている間ずっと続きます。

ところで『ジャービス』っていいですよね。誠実で礼儀正しくて、適度にエスプリが利いてるのも好感が持てます。ぴょん吉Tシャツより私はそっちの方が好きです。あ、すみません『ジャービス』は人工知能の名前です。MARVELコミックのアイアンマンに登場する執事が実写映画化されたときに人工知能となりました。戦闘中、トニー・スタークがジャービスを相手に会話をするシーンが好きで、同じようなことをタケルくんにさせられないかと人工精霊のアイディアを出しました。タケルくんの強さの一端は、無理をこじ開けるために無茶をするのではなく、柔軟な思考であの手この手を考えることだと思っています。自分では魔法が制御できないからOSを作ろう、それが人工精霊でした。ちなみに私の中からすんなり出てきたこの人工精霊という言葉、よくよく思い出してみると、元は多分『渋鯖人工幽霊壱号』から来ていると思われます(笑)。

マキ博士について。

人工知能進化研究所(以下人研)は民間のシンクタンクです。ただし普通のシンクタンクが政府や企業から研究依頼を受けるのに対して、人研は御堂財閥、というより御堂百理の依頼をずっと継続して調査中です。世界の終わりがくるから、目を光らせておけ。そんなアバウトな指示だけで毎日お仕事させられる方は腐っていくでしょうね。でも伊達や酔狂じゃないのでちゃんとお金も出るし、ある程度お付き合いで他の専門機関からの研究協力は行っていると思います。

さてピカレスク・ニートに登場する魔法は、所謂四大元素の魔法です。そして解説にもタケルくんが地球出身なので科学的なアプローチがなされます。人工精霊を作るとしたら、もちろんタケルくんだけでは無理なので、その構想に形を与えてくれる大人の存在が必要になりました。それが唯一なんら特別なものがないマキ博士でした。イリーナのような超天才ではなく、心深のような異能もありません。最初から最後まで人間のまま、一般人の価値観と視点を物語に与えてくれる得難いキャラでした。ホント、マザコンでなく遅刻もしない男性、誰か早く結婚してあげてください。専業主夫決定ですがいい物件ですよ。

ついに大博打に打って出ました。『ピカレスクInインドネシアの章』です。小タイトルの通り、歩兵拡張装甲を紹介するエピソードになります。こちらで初登場となるマリア・スウ・ズムウォルトは『有翅種戦記ダンブーガ』からの出向組です。水城ヒカルや三バカの上司で、愛機はYF-23ブラック・ウィドウでした。もともと彼女はハワイの出身のはずでしたが、なぜロケーションをインドネシアに移したかというと、麻生・スカルノ・富士子のせいなんですね。

麻生・スカルノ・富士子。『人類の剣の復活』で三話だけ登場したあの飲んだくれです。彼女は『有翅種戦記ダンブーガ』では歩兵拡張装甲の開発責任者でした。ピカレスクでも最強の準第四世代を完成させました。彼女はインドネシアと日本人のハーフで、長くインドネシアにいたという設定があったのです。従って、純アメリカ製の歩兵拡張装甲以外は全部インドネシア語の機体名がついているのです。

ピカレスクにマリアを出した時点では後々に麻生・スカルノ・富士子を出そうという気持ちはありませんでした。あくまでマリアという重要なキーパーソンを登場させながら、オッドアイ=アダム・スミスの暗躍を描くお話でしたので。

さて、色々お話を進めていく上で悩みは尽きないものですが、一番悩んでいたのは、アダム・スミスに囚われ地球にいるはずのセーレスの生活ぶりでした。当初地球編が始まったころのイメージでは、なんか地下のでっかい隔離施設で実験を繰り返されて利用されてるお姫様みたいなのを考えていました。それでタケルくんが験担ぎで卵焼きを食べないようにしてるのと同じように、彼女もまた大好きな卵料理を我慢してる……みたいな描写を書こうかなーと思いつつ、なんか弱いな、と。もしくは地球の文化にハマってたり? いやいや、セーレスはそんな軽い女の子ではないぞ、どうしよう。そこで天啓が降りてきます。セーレスの地球での生活が思いつかないなら、生活できないようにしてしまえばいいのでは、と(←おいw)。

そうしてセーレスは世界、あるいは因果律とも言うべきものに殺されかかっていて、眠り続ける設定ができました。これは私の中では好評で、緊迫感が出ますし、何よりタケルくんとレーレスが再会するとき盛り上がりそうだぞと。代わりに動けなくなったセーレスの穴埋めとして能動的に動けるキャラを考えたとき、アウラ、真希奈の流れから、精霊を具現化させる案を思いつき、セーレスの分身セレスティアが誕生しました。

歩兵拡張装甲をピカレスクに持ち込んだのはアダム・スミスですが、『有翅種戦記ダンブーガ』のキャラマリアとピカレスクのセレスティアは、ふたつの作品を結ぶ架け橋となりました。後にこの二人は真の友情で結ばれるのですが、キレッキレのセレスティアをどうにか中身相応の子供に戻してやりたいと考え、甘えさせてくれる姉御肌なマリアに友情を育ませることにしました。でもその結果マリアはレズビアンの道を開きかけたりと被害が大きくなりましたw 結局、子供になったセレスティアを初期のキレッキレに戻すために『聖夜の動乱編』を考えるのですが、それはまた別のお話ということで。

※ピカレスクInインドネシア追記
この章の中に登場したイブリスの森に存在する悪魔は、古代から生き残っていたサランガの幼体でした。過去人類が絶滅した一回目の時からなのか、二回目の時からなのかわかりませんが、数千年単位で地中で仮死状態だったのが蘇った設定です。大きくて倒しがいのある噛ませ犬を考えていた結果、大人になれない幼体という不名誉な呼ばれ方をしていました。

おっと、総括またしても終わりませんでした。ほんと、終わったことが悲しくてこんなの書いてるわけではなく、三章へむけて気持ちを私なりに整理しているのもあるのだと思います。お目汚しかもしれませんが、もう少しお付き合いくださいませ。ではでは失礼します。

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