AIで文章・画像・コード・企画を、いくらでも作れる時代になりました。
でも、皮肉なことに、大量に作れるようになったからこそ困ることがあります。その中から「本当に価値あるもの」をどう見抜くか。一見奇妙だけど革新的なもの、今は理解されないけど未来を作るもの——そんな光る原石を見つけるのは、むしろ難しくなっているんです。
今回紹介する Wisdom Council Layer(知恵の評議会)は、その「見抜く力」を手に入れるための道具です。
【これは何?】
あらゆるコンテンツを、10人の評価者AIがそれぞれ別の視点から採点し、合議で1つのレポートにまとめる多エージェント評価レイヤーです。
10人はこんな顔ぶれ。詩から事業計画、科学仮説、OSS、建築、画像プロンプトまで、ジャンルを問わず評価できます。
・originality:意味ある逸脱か、既存の焼き直しか
・anti-generic-filter:AIらしい「平均解」ではないか
・aesthetic-critic:深い美の体験を生むか
・emotional-impact:人間の心を動かすか
・future-potential:未来の環境で価値が上がるか
・business-value:市場で価値を生むか
・ほか scientific-novelty / philosophical-evaluator / quality-evaluator / meaning-evaluator
最大の特徴は「不一致こそシグナル」という思想。評価者の意見が割れたら、平均化して丸めるのではなく、その対立をそのまま保存します。評価が真っ二つに割れるコンテンツほど、何かがある——という発想なんです。
【できること】
・埋もれた価値(Discovery Target)を発見:「現在は低評価だが将来価値が上がるもの」を2軸分類で見抜くのが主目的
・mode: full で全10体を一気に招集:9次元すべて埋まった完全レポートが1回の呼び出しで得られる
・評価→再作成のループ:各評価者の「弱点」「改善提案」を保存し、次にどこを直すか(revision_direction)を提示
・厳格スコアリング:無難なものには高い点をつけない。相対的な差で見抜く
・en / ja / zh 対応:レポートを日本語・中国語でも出力可能
【使い方】
Claude Code が使える状態を前提に、手順はこんな感じです。
(1)クローンしてインストール
git clone https://github.com/GL-Kageyama/wisdom-council-layer
cd wisdom-council-layer
./install.sh(グローバル・どこからでも呼べる)
インストール後、Claude Code 内で skill として呼び出すだけ。
Skill: wisdom-council
Args: {"content": "評価したい文章・企画…", "content_type": "text", "domain": "creative"}
全10体で一気に評価したいときは mode: "full" を付けます。特定の視点だけ(「独創性だけ」「市場性だけ」)なら、評価者を1体だけ呼ぶこともできます。
(レポートをMarkdownで見やすく表示)
python utils/render_report.py report.json -o report.md
初心者がつまずきやすいのは、スコアの辛さ。この評議会は「褒める」のではなく「見抜く」のが目的なので、採点は意図的に厳格です。中央値は30前後、無難なものは20〜40点圏。「低い点数=ダメ」ではなく、相対的な差に注目しましょう。
【こんな人におすすめ】
・企画・作品の良し悪しを、客観的に壁打ちしたい人
・AIに大量生成させた中から、選ぶのに困っている人
・「これは売れそう」を感覚でなく、多角的に判断したい人
逆に「手軽に褒めてもらいたい」人には向かないかも。このレイヤーは評価専用で「作る」機能はないので、作る手段は別に用意する必要があります(評価結果を人間が受けて、次を作る、という使い方が基本です)。
【まとめ】
AI時代の競争領域は、「どれだけ作れるか」から「どれだけ価値あるものを見抜けるか」へ移る——これがこのプロジェクトの核心です。
作るのはAIに任せて、あなたは見抜く人になる。そんな新しい立ち位置を試してみたい人に、ぴったりの道具だと思います。
MITライセンスで公開中。よかったらスターも押していってください。
リポジトリ:https://github.com/GL-Kageyama/wisdom-council-layer