「帰り道は大丈夫?」
「ここ出たら、まっすぐ行ってそこ曲がるんだよ!」
大人、と聞いてみんなはどんなことを思い浮かべるんだろう。
お酒、たばこ、夜更かし、自由!
とにかく大人になったら一気に自由になれる。それと同時に責任がそこに生まれてくる。
必ずしも世界中の大人が良い大人とは言い難いからな。今やニュース番組には間違いを犯してしまった大人もたくさん登場する。
それに大人は何かと私たち子どもに対して口うるさく、ずっと怒っている。
私たち子どもたちにとって、身近な大人たちは必ずしもいいイメージばかりじゃない。近しい大人たちに対しては、もしかしたら
「嫌だなぁ、口うるさいなぁ」
と思っているかもしれない。
でも、私は「素敵な大人たち」にたくさん出逢ってきた。
どう「素敵」なのか?
他人にこれでもかと言うくらいに
めちゃくちゃ
愛情を注げる素敵な大人だ。
私に関わる多くの大人は他人の私のために多くの時間を費やしてきた。
その人の時間とは、その人の人生だ。(ちなみにこの言葉も素敵な大人の1人に教わった)
彼らは、彼ら自身の人生を少しずつ少しずつ、私に分け与えた。
冒頭の言葉。
あれは、私が出かけた時に言われた言葉だ。
少し遠出をするからと、ちょっと洒落た格好の私を見つけた彼らは真っ先にそう言ってきた。
その時ちょうど、ニュース番組は児童虐待の話題で持ち切り。
我が子を傷つける親。傷ついた子供を救えなかった大人たち。
そんな大人たちを批判する大人たち。
我が子の明日のごはんの心配をできない大人たちもいる中で、彼らは他人の私の帰り道を心配している。
本当に些細なことだった。
こんなことでと思う人もいるかもしれない。
でも、私は思った。
彼らは世界中の大統領たちよりもスゴイ。
そして、愛とはこういうことなのだ。
「そして、バトンは渡された」
たくさんの「親」・・・、「素敵な大人たち」に愛された主人公。主人公の生きる環境と私が生きる環境は全く違うけど、どこか共感できた。
それはきっと、私も、血のつながりや過ごした年数など関係なく、愛を注いでくれる大人・・・親と思えるような大人たちに出逢ってきたからだと思う。
世の中、悪い大人だけじゃないよね。