「えー、やだー。一緒に来てくれないの?」
「一緒に行ってどうなるんだよ。」
「……?」
「いいか?お前は公爵家末っ子だわな」
「え?あ、はいそうです?」
「そんでもって、俺らはド平民で根無し草同然の冒険者とそれに付き従う奴隷の二人組な。しかも14歳と16歳のチンチクリンだ。公爵家といえばオマエ貴族の最上位じゃんか。世の中では王家並みに最高頂から最下層のもっともっと下をこうアレだ、眼を凝らして足元の砂のツブツブを見分けるような苦行並みの作業を強いるんだ。そもそも物事の考えや尺度や思考の指針に猛烈な高低差があって、対話どころか会話やご挨拶すら交わすのが困難か不成立となる感じだぞ」