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亜麻色の騎士・あとがき



 今回一番気を使ったのは【緩急をつける】という部分です。持ち上げて落とす。思いっきり。観た事がある人もいるかと思いますが、アニメ:コードギアスで“和解した直後に主人公の能力が暴走し、最も平和を愛した女性が大量殺人を始めてしまう”という落差。ギルティクラウンで活路を見出した先でヒロインが死ぬという落差。目指したのはそういう幸せ・ほのぼのからの突き落としです。書いていて自分でも性格悪いな~と感じたりもしていました。

 また、鬱展開する話を書いたのは今回が初めてで、正直このくらいの内容が自分の限界です。ヒロイン等が凌辱される展開は大嫌いでして(じゃあ何で書いたんだよ、俺)最初のプロットでは『盗賊に殺される』というだけのものでした。
 しかしこれではあまりに単純すぎる。そこで参考にしたのがニコールキッドマン主演の『ドッグヴィル』という映画。
 この映画は舞台仕立てで、撮影スタジオの床に書かれた線の上でのみ話が進んで行きます。家が立ち並ぶ事を表す線。道路からは家の中は見えない。当然演者は家の中が見えない演技をします。そんな中、主人公がとある家の前を横切るのですが、その中でヒロインが襲われているというシーンがあります。
 映像を観ている方からは、何も知らずに歩いている主人公と、凌辱されているヒロインが同じ画面に入っているという、ものすごいインパクトの大きいシーンでした。そのインパクトを織り込んでみたのですが……あと少しの文字数制限と表現力が欲しかったなと言う感じです。これは次に活かさないと。 

 実は、最後の一説は最初から予定していた部分ではありません。レトリの死ぬ前の一言のあと、自分自身が救いが欲しくて書き足したようなものですが、これは結果として良い感じになったとは思います(/ω\) あの一説が因果のどこかで実現されたのか、それとも誰かの妄想で終わるのか、それは読んだ方の受け取り方次第とさせてください。


                           2022/12/11 猫鰯



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