昭和のレトロな雰囲気漂う喫茶グレーテルからおよそ、五十メートル先に二階建ての古びた洋館がある。
半世紀以上前に建てられたであろうそこは空き家になっていた。
そして今、空き家となっていた洋館に二十歳くらいの青年が住みついている。名を、荒巻雄馬(あらまきゆうま)。イギリスはロンドンより日本へと帰国した私立探偵である。つやのある、銀白色の髪に琥珀色の目をした、容姿端麗の荒巻には、とある秘密があった。
かつて、居候先だった藤峰燈志郎(ふじみねとうしろう)氏の自宅前で、荒巻が大魔王シャルマンと遭遇。
その後、強力な幹部の一人である魔人(まじん)の東雲(しののめ)に殺害された荒巻は、十九世紀後半のイギリスの世界へタイムリープする。
荒巻がタイムリープした先で、男装した貴族のお嬢様、ヴィアトリカ・ビンセントとミステリアスな雰囲気漂うメイドのロザンナ・ワトソン、そして探偵と称するエドガーが現れ、行動を共にすることに。
表向きは万屋だが、VILLAINBUSTERS(ヴィランバスターズ)とは本来、大魔王シャルマンを討伐するために魔法使いの久瀬理人(くぜりひと)と綾瀬悠斗(あやせゆうと)とで結成されたコンビである。
そして、勤務している喫茶店から外に出て、マスターの藤峰燈志郎宅と店舗の間にもうけられた喫煙スペースにて一服している最中に大魔王シャルマンが出現。喫煙スペースから出た直後、悠斗はシャルマンから不意打ち攻撃を食らい、意識を失った――
悠斗がはっと目を覚ますとそこは藤峰燈志郎氏の自宅二階にある寝室の中だった。今までの出来事は全て夢の中の出来事だったと思い、安堵する悠斗は、一階のダイニングルームにて、テーブルに並べられた豪華な朝食を目にし、静かに動揺。
悠斗が静かに動揺する最中、藤峰燈志郎氏の自宅前で、灰色のロングコートを着たミステリアスなメイドが、旅行用のトランク片手に佇み、ほくそ笑むのだった。
に更新