魔力(まりょく)。多くは、魔法使いが魔法を発動するのに用いる力のことを示すが、その言葉の意味は諸説あるとされている。
実際に魔法陣を描いたり、魔法が発動するのと同時に光り輝く魔法陣が出現することこそないが、頭でイメージしたものを具現し、地球上のあらゆるものを動かす念動力を兼ね備えた特殊能力も、魔力と呼ばれている。
現在、冥界に宮殿を構える死神結社に属するシロヤマは生前、魔力の使い手だった。
とある事情につき、現世の花屋で副業するシロヤマは、買い物客の赤園(あかぞの)まりんが、小さな頃から思い描く夢でもある、フラワーデザイナー志望の学生であることを知り、これから先、結社から指令が出たとしても、一人前のデザイナーにまるまでまりんを護ると心に誓う。
現世の日本、日本海側に面する新森県(にいもりけん)、新森市内の海山町(うみやまちょう)に古くから伝わる堕天使の噂話の真偽をつきとめるため、シロヤマは堕天使が封じられている祠へと足を踏み入れる。
そこにある筈の堕天使の像がなくなっていることに気付いたシロヤマは、何者かが堕天使の封印を解いたと推測。のちに、海山町に帰省していた十八歳の女子大生、まりんが堕天使の封印を解いたことが判明する。
封印を解いたまりんが堕天使に殺され、魔力で以て堕天使と交戦したシロヤマは、自身が傍についていながら護れなかったその後悔とまりんを想い、蘇生術を施す。しかしそれは、時の神カイロスから使用することを禁じられていた禁断の術だった。
まりんと同じ大学に通う魔力使いの細谷健吾(ほそやけんご)と手を組み、まりんを巡って結社と対決、そして和解したシロヤマは、現世に存在する廃墟ビルの屋上でもう一人の自分自身と対面する。その後、廃墟ビルの屋上で細谷とも対面したシロヤマは、連れ去られたまりんを救うため、屋上の端に佇む悪魔に立ち向かうのだった。
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