この間、職人が先に帰った後、マーケッターの彼と話していたら、大事な話があるのだそうな。
なんだろう。
「僕、ハプニングバー行きたいんすよ」
「お、おう?」
聞いたことはあるけど、彼曰くジャンルだそうな。
てっきりハプニング多発なお店の俗称かと…
しかし酒にハプニングはつきものだけど、名を冠するとな?
おじさん、スケベ&暴力しか浮かばないんだが。
だけど彼に暴力の匂いはしないし…
あっ! この子ニヤニヤしてる。
やらしい顔だ。
だけど、仮に暴力がなくとも、引かれたレールの上のスケベは何か違うというか…
ハプニングはハプニングだからこそハプニングと言うのでは無いだろうか。
というかあれってハプニングだったよね、あははってこう、後日そういえば的にわかるものなんじゃないだろうか。
「頻度が各駅停車であってる?」
「ちょっと何言ってるかわかんないす」
「だ、だよね」
全てスケベ駅だとして、ただのバーが快速だとすると、ハプニングバーはそんな感じかなって…
彼曰く、入店まで随分と怪しく、会員登録し、会費を払い、持ち物検査をされ、ようやく入店出来るのだそうな。
それどこまでも濃いグレーなんじゃ…
そして何かしらハプニングが起こるのだとか。
見せてもらった画像は、モロ下着だった。
はぁ。なってない。なってないよ。
ハプニングじゃないじゃん。
それじゃあ僕には響かないよ。
というかなんで僕誘うし。
友達誘えし。
「いや、墨色さんと行きたいんすよ」
「そ、そうなの?」
も、もぉ、なんか照れるじゃない。
「こんなの友達に打ち明けれないですよ」
「…」
こ、こいつぅ…
「普段友達とそんな会話しないの?」
「あはは、するわけないじゃないですか。ね、行きましょ」
「…」
そうだ、この子悪い子だった。
こういう奴が世渡り上手いんだろうな…
というか結局ハプニングバーってなんなの。