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続々エアコン

「つまり、今日は…無理なんですね」

「はい…」

 僕の言葉に、電話口の向こう、メーカーに勤める彼女は悲しそうにそう答えた。

 はぁ。仕方ないか。

 あ、そうだ。

 さっきムキムキ君から聞いたんだった。


「あの、室外機の底? に丸い穴があって」

「はぁ…穴、ですか?」

「おそらく水抜き用のホースを取り付る穴かと」

「…ホース…? 穴? ああ…それが…」

「壁面に配管は既にあって、おそらくそれと室外機を繋ぐホースが、取り替え後には無くて。このままでは下に水が…」


 2階相当の高さの壁面に、以前と同じように室外機は設置された。

 下から見上げたら、以前あったものがない。

 蛇腹みたいなホースだ。


「配管はどのような?」

「……どの…ような? えっと…ん? 配管?」

「ええ、配管です」


 所在なく上を向いた状態だけども、どのような? なんて言えばいいのか。


「…なんか寂しそうにホースが来るのを待っている状態といいますか…」


 何言ってんだ、僕は。


「…ふふ。もう一度お願いできますか?」

「あ、えっと…わずか30センチ程を繋ぐホースが無くて」

「無くて。配管は…?」

「配管は……まるで親鳥を待つ口を開けたヒナのように上を向いているというか──」

「ドレインホースですね。そちらも担当に伝えておきます」

「あれ?」

「何か?」

「い、いいえ」

 話途中で遮られたし。

 なんでもっかい言わせたし。

 そんなにボキャブラリーなんてないよ!


「……あ、あの! いつ頃になりますか?」

「七日ですね」

 イマココ。

 あっツゥうい〜
 

2件のコメント

  • エアコンなしで広島に2年、大阪に1年いたけど、睡眠不足で健康を害しそうになって、買いました。
    今は、一晩中つけてます。
    体壊さないようにしてください。
  • ありがとうございます!

    広島大阪とはなかなか蒸し暑そうな都会ですね。

    僕は元々エアコン弱い派だったのですが、年々辛くなってきて、今では家はつけっぱです。

    今回壊れたのは職場というか、来客向けの場所でして。

    僕というよりお客様にご迷惑をかけてしまい…まあ作業場でもあり、休憩の合間に誰にも邪魔されずにカキコできる素敵空間なのですが。

    あっつぅい。

    ……明日顧客様が来るんですよね…遠方から。

    だから間に合ったと思ったのにぃ…とりあえずひたすら謝ってみます。

    まあ、馴染みのお客様なんで笑ってくれると思うのですが。

    トラブルは笑いになるだけ変えて生きたい墨色です。

    配管のくだりはマリオが正解だったのかもしれないとオチにします。オチないか。

    ご心配ありがとうございます!
     

    墨色



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