• 現代ファンタジー

「ベンタ」【第二章】に散りばめられたエピソード再発見!(4)

人生には必ず困難な時が訪れます。
 自らが原因で招くこともあれば、
 不可抗力や運命に導かれる場合もあります。

 主人公「ベンタこと東弁太一(とうべんたかかず)」と、
 もう一人の主人公、「分銅海斗(ぶんどうかいと)」。

 親を失うという自分の力ではどうする事も出来ない人生の困難に、
「ベンタ」と「海斗」は遭遇します。 
 
『自分の力で、自分の人生を切り開きたい』、
 プロボクシングに人生をかける決心をします。

 入門から半年、
 村木コーチの厳しい言葉に反発し、
 練習を勝手に変更してジムを飛び出したベンタ。

 海斗はベンタを追いかけ、公園にいるベンタを見つけました。

 ベンタは、海斗も自分と同じようにつらい思い出や境遇、先の見えない不安と戦っていることを知ります。(ここまで第一章)ここからの続き……。
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 前回のつづき、
 ジム会長の徳川万世、田口マネージャー、ジムのリーダー田上瞬、
 寮の先輩矢尾板と小島が心配する中、
 ベンタは、長いロードワークから海斗と一緒に戻り、
 トレーナーの村木に謝罪し、村木もベンタの気持ちに応えるように、
 「プロボクサー新人テスト」の受験に向けて、ベンタと海斗に厳しい注文とさらなる努力を促します。
 それから一か月後、とても普通の16歳と思えないほど、自己管理が徹底している海斗と、それをそっくり真似たようなストイックな生活をするようになったベンタ。その姿を驚きと称賛もって見ている寮母のマーさん。
 ベンタと海斗をバイトに送り出した朝食の後、寮母のマーさんと先輩の矢尾板、小島の3人は、話し込みます。
 神戸で生まれ育ち父の影響で小さい頃からプロ野球を観戦して育った寮母のマーさんと、プロ野球選手を夢見ていた野球少年、矢尾板の野球談議が始まります。
 今年日米で野球殿堂入りを果たした、スーパースター、イチロー選手。
 まだオリックスの2軍にいた頃から「細身だがこの選手は必ずいい選手になる」と云っていた父親の言葉をマーさんは思い出します。
 同じく巨人とヤンキースで活躍し、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督と共に国民栄誉賞を受賞した松井秀喜選手に憧れてプロ野球を目指していた矢尾板。
 この二人が何故、日米で記録を残し活躍できたのか?
 それは「プロとしての妥協なき徹底した自己管理の追求」と、多くの国の出身者やあらゆる人種のるつぼである米国においても、「信頼され、慕われ、尊敬される優れた人間性」の2点が、マーさんと矢尾板の会話の中で語られます。
 ベンタと海斗の一心不乱に努力する姿は、まるで雲の上のような人たちに匹敵するのではないか? 
 という思いをマーさんと矢尾板に抱かせます。
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次回から、プロテストに向けて本格的な練習が開始されます。

このあと、ベンタと海斗を待ち受けている試練は?

「ベンタ」第二章が動き出します。

 生活や人生が思うようにいかなくて苦しい時、つらい時、どん底だと感じるとき、人は現実とどう向き合えばいいのでしょうか? 
どう立ち直ればいいのでしょうか?

 野﨑博之(のさきひろし)の「呼び止めざる事の為に」の本の中に、
 阪神淡路大震災に寄せた、「道標」という作品が所収されています。
 この「ベンタ」という小説に、「道標」作品の思いが込められています。
 連載中、【ベンタ】第二章 をお楽しみください!

 次回以降も、現在公開されている、
「ベンタ」【前編】 『 序章 ~ 第三章 』 に散りばめられた、
『エピソードの数々』を、
 少しづつ紐解いていきます。
 おたのしみに・・・。

 野﨑博之(のさきひろし)

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