• 現代ファンタジー

「ベンタ」【第二章】に散りばめられたエピソード再発見!(5)

人生には必ず困難な時が訪れます。
 自らが原因で招くこともあれば、
 不可抗力や運命に導かれる場合もあります。

 主人公「ベンタこと東弁太一(とうべんたかかず)」と、
 もう一人の主人公、「分銅海斗(ぶんどうかいと)」。

 親を失うという自分の力ではどうする事も出来ない人生の困難に、
「ベンタ」と「海斗」は遭遇します。 
 
『自分の力で、自分の人生を切り開きたい』、
 プロボクシングに人生をかける決心をします。

 入門から半年、
 村木コーチの厳しい言葉に反発し、
 練習を勝手に変更してジムを飛び出したベンタ。

 海斗はベンタを追いかけ、公園にいるベンタを見つけました。

 ベンタは、海斗も自分と同じようにつらい思い出や境遇、先の見えない不安と戦っていることを知ります。
(ここまで第一章)ここからの続き……。
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 前回のつづき、
 <何より体力と技術を磨け!徹底的に体を鍛えろ!>
 ベンタと海斗の二人の【ジムワーク】は、
 様々な練習メニューが工夫されています。

 まずは【ジムワーク】練習メニュー 
 一、ストレッチ(マット運動・柔軟体操 3ラウンド9分)
 二、縄跳び=ローピング(2ラウンド6分)
 三、パンチングボール&ダブルエンドボール
 四、シャドーボクシング(5ラウンド15分)
 五、ミット打ち
 六、サンドバック(3ラウンド9分)
 七、マスボクシングまたはヘビーバッグ
 八、スパーリング(10ラウンド30分)
 ※気分転換にエアロバイク(30分)を入れる。
 ボクサーにとって基本の反復練習を繰り返すことが最も重要です。
 ボクサーなら誰でもやっている基本的な練習を毎日工夫しながら、変化を加えてます。
 そして気分転換には必ずエアロバイク。
 このメニューを取り入れることで、疲れた体に負荷をかけて心肺機能と下半身の強化を同時に行った。特にミット打ち、サンドバッグ、マスボクシング、スパーリングと少しづつ実践向きのレベルの段階が上がっていった。
 特に重視したのは、相手に強烈なダメージを与える手首の強化。
 田口マネージャーや村木トレーナーの厳しい声が毎日飛んできます。
 サンドバッグをたたき始めるとすぐ後ろから、
「一発でも多く打ち込め」と気合を入れます。
 ベンタと海斗が両手でサンドバックを打ち続けます。
 頭から汗が滴り落ちます。
 周辺がまるでサウナの中にいるような熱気です。
 声を出しながら二人が打ち続けます。
「体が疲れてくると誰でも手打ちにな」
「しっかり腰を入れて膝を使って打て!」
 ミット打ち、続いてマスボクシング。最後にスパーリング。
 今度はかつて現役当時、技巧派と謳われた田口と、闘魂ファイターと呼ばれた村木から容赦ない要求が飛んできます。
「ファイテング原田や大場政夫のようにパンチの雨を降らせろ!」
「百発打ち続けろ!」
「休むな、十秒間に五十発撃ち込めば必ずダウンする」
「常に動け!無防備に正面に立つな!」
「不用意に近づき過ぎると相手がアッパーやカウンターのフックで狙ってくるぞ!」
「横から攻めろ!パンチをブロックしながらボディを打て!」
「パンチを打つ時、片方の手で守りを固めろ!」
「リカルド・ロペスのようにガードを固めて、ステップで距離の強弱をつけろ!」
「相手のどこにパンチを入れるのかを考えながら打て」
・・・ベンタと海斗に、田口と村木から厳しい言葉が浴びせられます。

ジムワークが終わると、サーキットトレーニングを行います。
【サーキットトレーニング】練習メニュー
 一、腹筋(五百回)
 二、ディップス(一回目)(二十五~四十回)  
   ※大胸筋と上腕三頭筋の強化
 三、腕立て伏せ(五百回)
 四、ディップス(二回目)(二十五~四十回)
 五、シュラッグ(五十回)ダンベル・バーバル他 ※僧帽筋の強化
 六、ブリッジ(首周りの強化)(3ラウンド9分)
 七、エアロバイクかランニングマシーン

  「体力がないと思ったらとにかく走れ。ひたすら走れ」
  「走ることが自分に勝つことだ!」
・・・ベンタと海斗に、田口と村木から厳しい言葉が浴びせられます。

 ※ 一~七を数セット 
 八、特に手首の強化・握力の強化
 九、足腰の強化(特に臀部と太ももの強化)
 十、マットの上を前転する。
   立ち上がったら、大きなゴムボールを両手を使って壁に投げる。
 ※ 最後にストレッチ(1ラウンド3分)(筋肉の疲れをとり終了)

毎日毎日、物凄い練習が繰り返され、積み重なっていきます。
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次回は、プロテスト前日 ベンタと海斗のバイト先の話です。

第三章まで、まだまだ続きます。

 生活や人生が思うようにいかなくて苦しい時、つらい時、どん底だと感じるとき、人は現実とどう向き合えばいいのでしょうか? 
どう立ち直ればいいのでしょうか?

 野﨑博之(のさきひろし)の「呼び止めざる事の為に」の本の中に、
 阪神淡路大震災に寄せた、「道標」という作品が所収されています。
 この「ベンタ」という小説に、「道標」作品の思いが込められています。
 連載中、【ベンタ】第二章 をお楽しみください!

 次回以降も、現在公開されている、
「ベンタ」【前編】 『 序章 ~ 第三章 』 に散りばめられた、
『エピソードの数々』を、
 少しづつ紐解いていきます。
 おたのしみに・・・。

 野﨑博之(のさきひろし)

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