新作長編を投稿したついでに「カドカワBOOKSコンテスト」に応募したところ、先日中間選考の発表があって、「あなたの永遠の物語」が中間選考を通過し、最終選考に残ってました。
あなたの永遠の物語
https://kakuyomu.jp/works/16818093091266664743 私はてっきり、
「PV数、星、フォロワー数等の読者選考的な方法で5000作品を一気に絞ってから中間選考する」
と裏ではそういう選考がされていると思っていたので800作品に残っていたのは意外でした。Web小説って公募とは桁違いに応募数が多いので、残酷なフィルタリングしてるのかなと考えていましたが、マジで一つ一つチェックしてるんですかね。というか、最終選考が800作品ってのもWeb小説らしい規模感。
よく公募の一次選考選考は、
・小説の形を成しているもの
・公募条件を満たしているもの
という「振るい」にかけて一気に落とす段階と聞くので、それはそれで安心です。あ、ちゃんと小説を書けてるんだな、と。
さすがに最終選考を通過するのは厳しい戦いだと思いますが、期待しつつ、落選しても12月から始まるカクヨムコンテストの方にぶち込みます。一応、カクヨム書籍化組なのでプロ作家部門になっちゃいますな。「わたしの愛した彗星」の再書籍化、お待ちしてます。
当作品の第2部も本日から投稿を始めました。また10万字ほどで第2部も書き終えるつもりで、第3部も時間を空けて執筆する予定です。
・カクヨムAI小説騒動
Xでカクヨムに投稿されたAI小説が話題になっていて、それが日間ランキングを取ったって話が面白かったのでついでに書こうと思います。カクヨムがXのトレンドになるの面白すぎる現象。
AI小説の懸念点を挙げるなら、私は「作品発見の邪魔になる」ぐらいかなと考えています。
作家は新作を見つけてもらいづらくなる、読者も新作を見つけづらくなる、と言った感じです。更新速度と本数の違いですね。
最終的に面白いかどうかが正義だと思っていますが、そもそも読まれないと意味がないので、読まれる機会がAIの連続更新の波によって潰されるのが一番の懸念なんじゃないかと思います。そうなると読み専が最初にカクヨムから去り、そして最後に書き手が消える。
とはいえ、Web小説、なろう系はテンプレと揶揄されるほどテンプレに溢れてる世界で、そして読み手もそのテンプレ展開が好きだから需要供給の関係で書き手もテンプレをさらに増産するっていう循環なので、AI使っても結局AIにテンプレを書かせるってだけなのではと思いました。
でも結局、面白いかどうかです。
小説は読まれてはじめて存在価値が生まれるものなので、読者本位です。読者が面白いと感じるかどうかがすべてだと思います。書き手本人だけが面白いと感じれればいい、と思っていたら公開する必要がありませんから。
AI小説で危機感をより強く感じているのは書き手側でしょう。書き手の多くは書籍化が夢・目標だと思いますのでAI小説が書籍化決定したら嫉妬で怒り狂う人が続出しそう。
でも小説に限ってはAIに駆逐されるとは思えないんですよね。小説は膨大な文字、文庫本だったら10万字の中に、フィクションはありつつも自分の人生体験を入れたり、リアルな感覚とか、そういった人間的な部分が嘘っぽいかリアルか顕著にわかってしまう娯楽だと思います。AIには銃を撃った時の感覚も感情もわからない。それっぽく描写はできても、目新しさはない。AIの現状は「即答してくれるyahoo知恵袋」でしかなく、堂々と嘘をつく。人間の一人称の感覚は「それっぽい」しか回答できない。
何が面白くて、何が面白くないのか。
これがわかっていなければAIを使おうが使わなかろうが、面白い作品を作れないのが小説の難しいところだと感じます。AI小説でも最終的に投稿するのは人間です。その人間がAI小説を客観的に面白いか否か判断できる能力がないと「世界で自分一人だけが面白いと感じてる作品」を世に送り続けるだけになります。もちろん有象無象の作品があるから読み手はそれを選ばない。ましてやAIとわかっていたらページを開くハードルも高くなる。
でもランキングに載ってるじゃん、と思うかもしれませんが、ランキングの仕組みがそうさせているだけにすぎません。カクヨムのランキングって、短期間のフォローと星で計算されるものなので、興味本位でみんながフォローするとランキングが上がります。だから昔からカクヨムでもなろうでも「複垢」とか流行るわけです。本質的に作品が評価できているかは微妙です。もちろん面白い作品はフォローされるので当然正しく機能もしますが、今回はうまく機能していない方でしょう。
たとえるなら選挙。政治経験の全くないが知名度だけはあるインフルエンサー、芸能人、タレント、アナウンサーが比例区で勝っちゃうやつ。あれと同じ現象。
これから起きることは、まずカクヨム運営がPixivみたいにAIタグを義務化するとかですかね。
AI小説を定義化するのは相当難しく(推敲にAI使用はOKか等)、文字だけでは証明が難しい。
「AIツールで一部文章を生成した作品はAIタグを絶対につけてください」的な流れになっていく気がします。住み分けです、住み分け。こうしないと読み手側が地獄ですからね。更新された新作が全部AIだ!とかありえない話でもない。
編集部側も大変でしょうね。自社主催のコンテストの大賞が実はAIだった、ってなったら絶対炎上するのでAIに関しては編集が一番慎重になってるかもしれません。
AI小説を書籍化するかどうか、で業界の流れが大きく変わると思いますので、今後も観察し続けます。