「おとら」という名の新人作家です。 主にファンタジーやラブコメを中心に執筆しています。 ほのぼのしたもの、泣ける切ないお話、王道展開などが好きです。 経歴。 2020年10月、WEBサイトにて小説を書き始める。 2022年五月、カクヨムコンテスト7にて特別賞を受賞(電撃の新文芸様から出版) 2022年6月「はぐれ猟師の異世界自炊生活」にてアルファポリス様から出版デビュー。 2023年7月、アルファポリス様のコンテストにて受賞し十二月に発売。 2024年『出来損ない皇子に転生』のコミカライズ決定。 2024年5月、アルファポリスより「自由を求めた第二王子の勝手気ままな辺境ライフ」を発売。 ファンタジーやラブコメで書籍化を目指しております。 レーベルの皆様、お仕事をお待ちしております。
北海道在住の作家・漫画原作者。日本推理作家協会、マンガジャパン、文化団体協議会会員。茶人。
春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
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