やはり「前の対話をすぐに忘れられてしまう」事との戦いになりそうです。
裏を返せば「忘れられても構わない状況を作る」と言うのが肝要なのかも、と思い。
まず、サイコブラックの基本的な設定は第一声でほぼ全てをインプットしてもらいます。
以下はサイコブラックのコンセプトをAIに教える基本的なプロンプトです↓
以下の条件で小説を書いて欲しいです。
・主人公は変身ヒーロー“サイコブラック”
・その正体は20代の男性“白井真吾”で、素性に関してそれ以外の事は描写しないでください
・サイコブラックの外見は、黒を基調としたオペコットスーツ姿
・変身ヒーローは一切の殺傷行為を禁じられており、作品自体の描写としても、一切の流血や死傷を描写しないでください
・変身ヒーローは暴力を使えないので、陰湿な嫌がらせや社会的な罠にかけることで悪人を制裁します
・主人公のサイコブラック(白井)は純粋な正義感の持ち主であると同時に、嫌がらせや社会的な罠にかける手口を正義と思い込んでいるサイコパスでもあります
・舞台は現代日本で、ヒーローの存在は世間では認知されていません
・悪人のキャラクターや所業は、現実にあり得る範囲でお願いします
宜しければ、次の条件提示と依頼を行います。
……この時点で、何度もセッションをリセットして検証したのですが、記憶をまっさらにした状態のAIの、この要望に対するリアクションは毎回別物になっていました。
ある時は、末尾の「宜しければ~」を無視してさっさと作品を書き出したこともあれば、ある時は「私が出力した小説の用途を教えていただければ幸いです」と言い出したり。
これはもう、セッションごとのchatGPTが全くの別人であると扱うべきかも知れません。
そして、“前回の世界線”のchatGPTから得たアイディアを、まっさらな状態に戻したchatGPTに提案する形で、継承していく。
あるいは、chatGPTが忘れても支障なく継承出来るようにするか。
なるべく乗り気なchatGPTの世界線を引き当てるまでリトライ。
前回ご紹介した、文章に“熱量”や“意外性”のパラメータを設定したのも、ものの数回で忘れ去られてしまう……となると、そのパラメータの成果は対話の序盤で消化すると割り切り、パラメータの存在自体を忘れられた時点で
パージ(切り離し)する。
忘れられる以前より、ある程度「熱量があって意外性のある話」を、それ以降は、熱量だとか意外性だとかを文字通りにしか扱えないロボットに託す。
(実際、この、最初のパラメータ設定を忘れた状態のAIにどれだけ思い出させようとしても、単なる「熱量」「意外性」という語を積極的に文に盛り込もうとするマシーンに成り下がります。何度「熱量や意外性という語を入れろと言う意味ではありません! と訴えても、「失礼しました、その通りにします」と宣いながら、しつこくこれらの言葉を盛り込もうとしてきます」
気分はSTEINS;GATEの岡部です。