※当該作品のネタバレにご注意下さい。
トイ・ストーリー4を再視聴する機会がありましたが、ウッディが持ち主の手を離れて野良おもちゃとなる、賛否両論分かれそうな結末でした。
妻もどちらかと言えば“否”寄りのリアクションでしたが、日本では特に不評であったそうです。
ネットで軽く調べた所、持ち主の“女の子”がウッディを全く無視し、保育園でゴミから作った自作の“フォーキー”ばかりを気に掛けている点が批判されていました。
この女の子は3において、ウッディ達の前の持ち主(男子)から、彼らおもちゃを受け継ぎました。
ウッディは一番の友達だったから大切にして欲しい、と約束した上で。
しかし、新たな持ち主の子は4でウッディに一言も話し掛けず、フォーキー共々居なくなってもフォーキーの事しか気付かない事に、前の持ち主への裏切りだ、と言う意見が相当数見受けられました。
まあ、そもそも5歳にも満たない女児に対して風当たりが強すぎるだろう、と言うのは横に置いておきまして。
まず、新しい持ち主の女の子は、ウッディ達おもちゃに自我がある事を知りません。
そして視聴者は「人格を持つおもちゃ」としてウッディ達を四作品に渡って見守り続けていました。
以前も創作論で取り上げましたが、作中人物と読者(視聴者)とのこのギャップを考えないと、思わぬ誤解や齟齬を招くものでしょう。
これは、作る方としても読む(見る)方としても気を付けたい所だと思います。
また、本土アメリカでは、この結末に対して「持ち主の子供ありきの生き方から、自分の為に生きる事への変化」と好意的に受け止められているようです。
まあ、物語としてはしっかりとテーマを感じられるのですが、トイ・ストーリーに対して「現実(リアリティ)では無く、夢だけを見続けたい」層が相当数居た結果なのかも知れません。
物語としての完成度が高くとも、トイ・ストーリーでやる話では無かった、と思われているのかも知れません。