雨屋二号

「男女の友情があり得ないと言うのなら、この関係は一体なんだろう」 誰に対しても憶せず話しかける葉咲崎蒼と、誰に対しても冷たい態度を取る雛原緋羽。今までは家が近いから登下校を一緒に…

“なんで無視するんですか” そう書かれたノートから顔を上げると、そこには頬を膨らませて怒りを顕にする幼馴染の姿があった。 姫榊琴歌──長い金髪に青い瞳、清楚な仕草、上品な言葉遣い…

彼女は笑わない。彼女は怒らない。 亜麻色の髪に蜂蜜色の瞳、まるで人形のように美しい彼女は、いつも人形のように同じ顔をしている。彼女──夏萱穂垂は表情が一切変わらないことで有名だっ…

腰まで伸びるほどの白い髪、雪のように真っ白な肌と、真っ赤な瞳。そして、彼女の右頬には火傷の痕が痛々しく残っていた。 まるで童話の中から出て来たような、ミステリアスな儚さと、異質さ…

かつて聖女と呼ばれた女は異端の魔女として処刑されることになった。 それは唐突で必然で、覆らない現実に1人の女騎士が聖女を連れて、共に逃げ出した。(1話完結)