「じ、自己紹介とか急に言われても……。はあ、わかったわよ、まったく……。一文字朱理よ。え? 短い? 誰が、あかりんよ! いまは〈デストロイヤー〉も関係ないでしょ! アンタに任せると、とんでもない自己紹介されそうだから自分でやるわよ。えっと、名前は言ったわよね? ダン高に通う二年生。特技は〝魔法〟ね。雷系の攻撃魔法を得意をしているわ。私の目標はAランク……は、もう叶ったから凄い探索者になることよ。歴史に名を遺すような最高の探索者になって、一文字の名を世に轟かせるのが私の目標よ」
◆一文字 朱理(いちもんじ・あかり)/Akari Ichimonji
一人称は「私」で、椎名のことは「先生」と呼ぶ。ツーサイドアップの赤毛と、鋭い目つきが特徴で、少しとっつきにくさがある。口調はキツめだが、面倒見は良く、特に明日葉との掛け合いではツッコミ役に回ることも多い。
パーティー内の役割は後衛型の魔法アタッカーで、雷系の攻撃魔法を得意としている。火力に特化した戦法を好み、敵をまとめて蹴散らすような戦い方に向いている一方で、搦め手を苦手としており、模擬戦では明日葉に負け越している。彼女の実力は主に一対多数の状況で発揮され、高威力・広範囲の魔法『雷霆の雨(サンダーレイン)』や『強嵐の稲妻(ライトニング・ブラスト)』などを使いこなす。
所有するユニークスキルは〈建御雷神(タケミカヅチ)〉。雷を剣の形に変えた神剣〈布都御魂の剣〉を召喚し、魔法と斬撃を組み合わせた戦闘が可能となる。この剣は杖の代わりとして雷魔法の威力を強化する他、振るだけで上級魔法クラスの破壊力を発揮し、スキルや魔法による防御を切り裂く効果もある。彼女の必殺技〈神鳴り〉は権能も斬り裂く雷光の斬撃を放つ技で、最上級魔法を凌駕するほどの破壊力を持つ。ただ、魔力の溜めに時間が掛かることから、仲間の支援に頼る場面が多い。
日本で確認されたユニークスキル保持者の八人目として登録されており(夕陽のスキルは秘匿されていたため)、登場時点で既にBランクの資格を所持。ダンジョンの中層まで単独攻略を進めていた。
祖父は〈特級〉の魔導具技師にして〈迦具土〉の代表を務める一文字鉄雄。一文字家は旧家であるものの田舎の地主で、それほど裕福なわけではなく、朱理も普通の家庭と変わらない――むしろ、質素倹約に近い幼少期を送ってきた。
そのため、魔導具の蒐集癖がある祖父と両親の仲は最悪で、朱理自身も探索者になることに両親の反対を受けていたが、それを押し切って探索者学校に進学した経緯を持つ。
そうした経緯から、探索者として大成することに強く拘っており、両親に認めてほしいという思いと、祖父と両親の関係を取り持ちたいという願いが、目的の根幹にあるようだ。
周囲からは「一文字の孫」として早くから期待を集めており、その期待に応えようと努力してきた。才能だけでなく人の何倍も努力をして、単独で中層を攻略。Bランクに到達した実績もあるが、自信の裏には常に「認められたい」「証明したい」という思いがあった。
そんな朱理の前に立ち塞がった大きな壁。それが、夕陽だった。
規格外の実力を持ちながら、それをひけらかすことなく、いつも自然体でいる夕陽と行動を共にすることで、初めて〝自分の限界〟を痛感することになったのだ。
その経験は挫折ではなく転機となり、彼女を大きく成長させる糧となる。
以降、朱理は周囲の期待に応えることを止め、自分のため、仲間のために魔法の腕を磨き続けている。
なお、その戦闘スタイル故に〈破壊の魔女(デストロイヤー)〉という二つ名がギルド内で知れ渡っているが、本人は未だに納得していないらしい。
※Krita+AnimagineXL(4.0)で制作しています。
