今回の「弟が優秀すぎて王国が滅ぶ」を書こうとして思ったのはは、「絶対正しい人間ていないよね」という話にしようということです。また、どんな人間にも嫌いな所はあるし、好きなところもあります。
小説とかを読んでいると、何をしても好感度が下がるような屑キャラがいます。そういうのがざまぁされるとスカッとしますし、読んでいて楽しいです。
当初はその予定で、ファイーブが異世界に現代世界の常識を持ち込んで顰蹙を買うざまぁ系にしようと思っていました。
でもやっぱり、そういう人間は僕の経験上少なくて、僕は経験に無い事は書くのが苦手なんです。
僕の知っている人間は、良い所も悪い所も混合していて、そしてその悪い所にもその理由があって、そして本人は悪いと思っていなくて、そしてもしかしたら悪いと思っている自分の方が間違っているのかもしれなくて。
一緒にいて楽しいけれど、デリカシーの無い発言にムカついたり、ムカつくところは多いけど、楽しい所はあったり。
僕の知っている人間は、こういう風にごちゃわちゃしています。「こいつ嫌い。」という人間は少ない、甘くて優しい世界で生きてきました。
キャラだけは、自分の経験に基づいて書こうと決めていたので、僕のキャラはそういう人間で構成しようと決めました。
けれどやっぱりファンタジーなんで、「僕の経験上実在するかもしれない理想の性格」を持つキャラはいれました。それがスリーとフォーですね。
ワーンとツーのコンセプトは「才能と夢」です。才能ある人はどういう風に他者を傷つけ、そして傷つけられるのか。夢を追うものは、その夢の為にどこまで犠牲にするのか、他者に迷惑をかけるのか。それを書きたかったです。
ファイーブのコンセプトは「自己と責任」です。良くも悪くも純粋なファイーブ。彼は自分の正しいと思った事しかせず、そして前世の過労の記憶から、最低限しか働きません。それを可能にしているのがチート能力です。
しかし皆さまも知っての通り、現実は超能力があろうとしなければいけない業務が沢山あります。彼のしたことは多くの人間が後処理に追われ、無責任な行為は、思わぬところで火種を産みます。
しかし、では、彼は手が届くとしても、責任が取れないからと言って見捨てるべきだったのでしょうか?
それを筆者が自分自身に問いかけながら書いた話でした。
そしてスリーとフォーのコンセプトは、「筆者がカッコイイと思う人間」です。先に述べた通り、2人は筆者の理想の人間です。ワーン、ツー、ファイーブの苦悩はとうの昔にケリをつけ、そしてそれを実行しています。
その苦悩への結論に批判が来る事は承知の上で、それを覚悟の上で実行に移す。そういう「つよい人間」を書きたいと思いました。
色々と長くなりましたが、筆者は基本的にキャラの心をメインに書きます。
次回作も、そのように行こうと思っております。
その時はぜひ、よろしくお願いします。