私はこの作品を何度も観てきたが、どこを見てもこの作品には【悪い点】しか見当たらなかった。
まず、ヒミコについてだが、彼女のスチャラカぶりは見ていて面白いのだが、相手への気配りができていなかったりどんな状況下でも物怖じしなかった。これが、結果的に物事の解決に繋がるのだが、私はこの事が不快に感じており、せめてヒミコを震え上がらせるような悪役キャラを登場させてほしかった。
主人公のワタルについても、時には弱音を吐いたりズルもしたりした。そこは人間らしくて良いのだが、只、ワタルと友達になった虎王がドアクダーの息子だと知って敵同士になった時は、ワタルはドアクダーを倒す事に固執していて、虎王のように悩む事は全くなかった。また、ワタルはずっと敵を殺さずに戦ってきたが、当のワタルは“不殺”に拘っておらず、製作者の都合でそういう展開になっているだけ。
以上の点から、ワタルは熱血キャラというよりは都合の良い進行役に過ぎなかった。
次に、この作品のラスボスであるドアクダーなのだが、ミスを犯した部下達を殺してしまう奴のやり方は、この作品では幼稚に見えてしまい、更に、虎王までも手に掛けてしまい、ワタル達の怒りを買ってしまったという点はワタルにとって都合の良い展開になってしまっている。
容姿に関しても、図体もデカければ顔もバカでかく、何より不細工で美形キャラの虎王とは完全にミスマッチ。
知的・美形悪党を好む私にとっては、虎王を上手く利用しようとせず部下達を一方的に殺してしまうドアクダーは最も嫌いな悪役キャラである。
ナルトやブリーチも、子供受け?を狙った少年漫画ではあるが、これらの作品では敵味方問わず死人が出る殺伐とした展開も結構あるし、同情を誘う悪役も多く出ている。そういった点では、死人を出さない事に拘ってしまい、ラスボス以外の悪役はラスボスに操られていただけというのも子供アニメとしては芸が無さすぎる。
また、虎王の正体が、「ドアクダーに操られていた翔龍子」という設定に関してもファンから抗議が殺到したのも納得です。