概要
大切な想いを種に託して――
獣人《じゅうじん》と人間とが共存する詩樹大陸《しきたいりく》の四つの国では、誰もが植物の種に想いを込めることができる。その種に込められる想いの量や、想いを留めておける時間は種の種類や大きさによって異なるものの、それらは『想いの種』と呼ばれ、書簡の代わりとして使われていた。
中でも、『託宣《たくせん》の種』と呼ばれる特殊な種を芽吹かせ、その内容を人に伝えることができたり、目に見えない存在や他人の想いを種に込めることができる特殊な能力を持つ者は『彩逢使(さいおうし)』と呼ばれていた。
その『彩逢使』である獣人の少女・サミルは、ある目的を果たすべく、獣人だけの村を離れ、人間ばかりが集まるウェール国王都ユウファへやってきていたのだが……。
サミルは、様々な人との出会いや経験を経て、少しずつ成長していく――。
中でも、『託宣《たくせん》の種』と呼ばれる特殊な種を芽吹かせ、その内容を人に伝えることができたり、目に見えない存在や他人の想いを種に込めることができる特殊な能力を持つ者は『彩逢使(さいおうし)』と呼ばれていた。
その『彩逢使』である獣人の少女・サミルは、ある目的を果たすべく、獣人だけの村を離れ、人間ばかりが集まるウェール国王都ユウファへやってきていたのだが……。
サミルは、様々な人との出会いや経験を経て、少しずつ成長していく――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!想いを運ぶ種を巡る、心温まる物語。
本作は、人の想いを込めることができるという特殊な力を持つ「種」を巡る、ハイ・ファンタジーです。
まず評価したいのが、この「種」というギミックを、徹頭徹尾物語の中心に据えてストーリーを展開している点。特殊な設定を打ち出しながら、話が進むにつれて「あの設定どこいったの?」といつの間にか設定の意味が希薄になる――WEB小説ではありがちなことですが、本作ではその心配はありません。
情景、キャラクターはともに温かみを感じさせる筆致で過不足なく描かれています。自然に物語の世界に入っていくことができるでしょう。
完結作ということで、提示された伏線や主人公たちが抱える諸問題は、ラストまでに解消されま…続きを読む