終章 悲しい思い出
村が血生臭い。
19歳でカレンが死んだ後、〈蟲〉の女王が力と共に解放された。
ずっと憎しみを溜め込んでいた〈蟲〉の女王は〈蟲〉達を引き連れて村を襲った。
〈蟲〉達は家を破壊し、村の人々を喰っている。
村の者ではないヒガンバナに〈蟲〉達は見向きもしない。もしかしたら〈蟲〉の女王の慈悲かもしれないが、ヒガンバナにとってそんなことはどうでも良かった。
ヒガンバナが立ち止まった先には家屋に下敷きになって死んでいるローバートがいた。次々と〈蟲〉達が村の人々を喰う中、〈蟲〉達がローバートに手を出さないのも、もしかしたら〈蟲〉の女王の慈悲かもしれない。
ヒガンバナは安らかな顔をしているローバートの傍にしゃがむと、彼岸花をその場にそっと添えた。
了
【彼岸花の花言葉:悲しき思い出など】
ヒガンバナ〜私はマーガレット episode0~ 蘇芳 @suou1133
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