月（ルナ）は笑う――幻想怪奇蒐集譚

幻想的な世界にぐっと引き込まれていく作品。
少し謎めいた主人公のルナも素敵だが、それ以外のキャラクターも一人一人魅力にあふれており、セリフがどれをとっても名言ばかり。もちろんストーリーも練りこまれていて面白い。
これは即出版だぁ！！！！！

怪奇譚を蒐集する主人公。そして彼女に付き従う吸血鬼。
知的で自由で純粋なる好奇心を持つ『彼女』には、その分「何か」が欠けている。それを補うのが、もう一人の『彼女』だ。
　二人の間には表面上、利害や馴れ合い、何となくの惰性が。けれども深く魂のレベルで結ばれた愛情、信頼そして互いへの尊敬があるのだろう。真に大切な者に対するやりとりは時折、感情と共に垣間見える。
これを（冒険譚というだけではなく）恋愛譚とするのならば、相当に上質だ。
　怪奇譚蒐集の過程は、ミステリアスな謎解きを以って悲劇を昇華させる。その舞台に於ける登場人物の機微までもが、醜悪であって尚、美しく胸に迫る。

『彼女たち』は互いが居…続きを読む

「月（ルナ）は笑う――幻想怪奇蒐集譚」は、神秘的で魅力的な世界観が読者を引き込む物語です。主人公のルナ・ペルッツは、不思議な能力と深い探求心を持つキャラクターであり、彼女の冒険は読者に驚きと興奮を与えます。物語は、ルナと彼女の仲間たちが不気味な事件の真相を追求する過程を描きながら、人間の心理や社会の闇を探求しています。

特に、物語はリーザというキャラクターの内面を丁寧に描写し、彼女の孤独と悲しみに共感させます。蜘蛛の糸を辿る彼女の夜の散歩は、彼女の心の逃避と希望を象徴しており、読者に深い感動を与えます。また、ルナとズデンカの探求心と関係性は、物語に深みと温かさを与え、彼らの旅が読者にとって…続きを読む

Xからの紹介で読ませていただきました。
美しいお話が多く、その中で救いのない部分が印象に残っています。
独創的なキャラクター達が織りなす物語は読み始めると止まらなくなる魅力的な作品です。

耽美な話もありました……が、最初の方は救いがなかったな、とも思いました
読み進めていくうちに救いのある話も出ましたね

綺譚〈おはなし〉を収集するというルナの設定が物語が好きな自分の心にものすごく刺さった。また、主人公のルナとズデンカのやり取りや、残虐な表現を気にさせないほどの登場人物たちの意味深な言葉などが、とても物語として鮮麗されていた。
とても面白かったので、これは是非もっと人気になってほしい。

この作品はキャラクター達が魅力的で、それぞれのキャラの心理描写などがしっかりと描かれているだけでなく、とても読みやすくコンパクトな文章で書かれています。

まだまだ続きを読んでいきたいと思います！レビューを見た方、ぜひ読んでみてください！

淡々と書かれる本文と少し不思議な幻想的世界が、物語の雰囲気と非常にマッチしていて、危うく時間を忘れて読み続けてしまうほど惹かれてしまいました。

月は自ら光らない。ただ太陽の光を反射しているだけである。
だがその光は、数多くの神秘を人々にもたらしてきた。
彼女も同じように、自ら語らずに語ってもらう事で、相手の願いを叶えるのだ。

さて。
今宵彼女は、どんな話を語ってもらうのか──

長編が好きな人に是非おすすめしたい！