概要
わたしたちのわたしたちによるわたしたちのための幸せな国づくり。
立国宣言をすれば誰でも立国できるようになったので、わたしと彼と彼女はこの部屋に国をつくることにした。とてつもなく面倒な書類が七十八枚も必要だったけれど、わたしたちは力を合わせてそれを乗り越えることができた。かつてわたしと彼は彼女を取り合い、昼と夜で分け合うことで合意したが、それだと夕暮れどきに引き裂かれてしまうと彼女が主張したので、わたしたちは朝も昼も夜も同じ国でともに過ごすことを選んだのだ。
わたしたちのわたしたちによるわたしたちのための幸せな国づくりのはなし。
わたしたちのわたしたちによるわたしたちのための幸せな国づくりのはなし。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!私たち三人は立法組織である。個人である。それ以上に国家である。
「私たち」3人が集まって「国」の設立を宣言する。すなわち立国宣言である。
私は、3人集まったから「古き良き三権分立」を採用するというところにまずときめいた。その発想はなかった。さらに細かい3人の生活(特にセックスについて)の取り決めをし、合法性を問う。様々なきまりをつくる。それは人間同士が暮らすならば極めて当たり前のことなのだけど、そこが「国である」と規定した途端に、なんだかものもしく、よそよそしくなるのはなぜだろう。
人間が国家を作るのか。国家が人間を作るのか。
きまりとはなにか、法律とはなにか。倫理とはなにか。
たくさんのことを問いかけてくる小説でした。
心からおすすめします。