― 逃影者 ―　さまよえる影

　影使いが持つ人知を超えた力に頼りながら、逃亡者としてさまよい続ける沢渡和史。影を使って人間の動きを制御し、記憶を消し去り、別人になりすますことができる彼は自らの内面に生じる狂気に身をまかせ、異様な逃亡生活を続けていた。
　影使いとなった男の狂気と逃避行を描く連作短編集。

［主な登場人物］
沢渡和史　　　　　　　影使いの男
作業服姿の老人　　　　花見客で賑わう公園に現れた男
中内頼子　　　　　　　沢渡和史の中学生時代のクラスメート
熊切明美　　　　　　　中内頼子の友人
野上千代子　　　　　　熊切明美が勤める会社の社長

※主要登場人物は中高年です。

※この物語はフィクションです。登場する人物、団体、名称等はすべて架空のものであり、実在のものとは関係ありません。