短編の名手によるハートフルな作品鮮やかな物語の切り口に、いつも胸をノックされる感じがしますこちらの作品も見事でしたヒロインといっしょにナゥワを受け取りました
たとえ共通する言葉や文化がないとしても、私たちは遠い人との交流を望まずにはいられない。そうして、大切なものを受け取り、預けて、出会いを重ねていくのだろう。異文化の風景が美しく、かつ、人の心を描いた作品です。
小説を読む時、頭の中にあるリソースを引用して世界を彩るものである。だから小説の色は好みの色で取り揃えられ、安心して物語を想像できる。でもこの短編小説は想像するのも手取り足取り、筆者の思惑に囚われたまま歩いていける。これが心地いい。とある島の独自の文化は、無遠慮な外部の人間を簡単に受け入れたりはしない。謙虚な気持ちで、違う世界を覗かせてもらう。そんな人間は世界の色を見つけられると思う。それを考えると、僕たちも大事なものを受け取っているんじゃないか。いつか、言葉で、返しにいこう。
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