ギフママ！ ーギフテッドと揄怪な大人たちー

ギフテッド、それは高IQゆえに生きづらさを抱える子供たち……と言われている。
しかし、日本ではギフテッドに対する明確な定義はない。
にもかかわらず、ネットで拾い上げた都合の良い情報をつまみ食いして「うちの子はギフテッド」と決めつけ、育児の困難から逃避をはかろうとするのが日本のSNSで観測される「ギフママ」を自称する女性たちだ。

こちらの作品は、そんな自称「ギフママ」たちとその周囲の大人たちをめぐる物語です。
描かれる大人たちはみな一様に自らを驕ったり、他者を貶めたり、他人を利用して自分が利益を得ることばかり考えています。
肝心の子供たちに少しでも心が向いている人は……今のところ、一人だけか…続きを読む

高いIQを示した子供は、『ギフテッド』という才能豊かな存在の証。

そう言えば聞こえはいいかもしれませんが、確たる条件はなし。

日本を舞台とした作品なのですが、日本にはそうした条件設定はもちろん、そのための教育プログラムもなし。

しかし、自分の子供が診断の結果、高いIQを示したことから、「自分の子供はギフテッド！」と騒ぎ立てる一人のママさんを中心に話が進んでいきます。

それはただの教育熱心な親なのか、あるいは空気の読めない厄介者なのか。

なかなか面白い独特な展開の作品です。

皆さんも是非御一読ください！

ギフテッド（高知能を備えた子供。その代わり社会生活を営むのに不利になる特性も抱えている）
それを中心に巻き起こる人間模様を描いた作品ですね。
読むと嫌な気分になります。
……ああ、悪口じゃないですよ？

そういう作品なんです。
本当の人間模様を描いているというか。

人間、良いことをしながら悪いことをすると仏教では言うらしいですが。
この作品を読むと、そういう言葉が真理だなーと思ってしまいますね。
ある意味。

どういう具合なのかは読んで確かめて下さい。

母親の抱く感情が時に行き過ぎてしまいこうなってしまうのかと思うと恐ろしいです。
現実世界の話であると言われても信じてしまいそうなほど身近な問題が描かれているように思えます。
一話一話で区切りもよく非常に読みやすい作品です。

現代の闇を感じるこういった小説好きです。
リーダビリティも高く続きを楽しみにしています。