あとがき

 明けましておめでとうございます。清瀬 六朗です。

 「戦争の記憶」にかかわるお話でしたが、最後は明るく終われたかな、と思っています。


 しかし、惣吉郎そうきちろうさん、よく一発でほぼまちがいなく聴き取ったな、と思います。(汗)

 それだけ好きだった……のでしょうね。

 でなければ、聞いた「音像」をそのまま記憶できる持ち主なのか。

 後者だとすると、英語教師の「僕」には怖い存在ですけど。


 その原文を物語のどこにも書いていないので、ここに書いておきます。


 Gloria in excelsis Deo

 et in terra pax hominibus bonae voluntatis


 栄光はとても高いところに神のために(ありますように)

 そして地には平和がよき思いの人らのために(ありますように)


 キャッチコピーは「地には平和を」としていますし、かおるさんもそう言っていますが、文法どおりだと、「平和」が主語なので「平和が地にありますように」です。

 発音は、学校のラテン語の科目で教える「古典ラテン語」式ではなく「教会ラテン語」っぽくしています。


 それにしても。

 惣吉郎さんの片思い・初恋の「彼女」さん、「r」をちゃんと口の奥のほうで発音していたんだな。それで「グロリア」が「グロィア」になったり、「テッラ」が「テルワ」に聞こえたりしたわけです。


 「僕」の二人の娘のうち、瑞城ずいじょう女子高校アイドル研のももさんは、『遥か昔のエジプト精神』で、一年生のマーチングバンド部員に稽古をつけています(ここで「僕」の苗字も判明します)。

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815/episodes/16817139557155299324

 桃さん、自分の部屋に戻って、ミサ曲の「グローリア」の詞を聞いて、それにどういう振りをつけようかということが頭のなかをめぐっている……かどうかは定かではないですが。

 でも、きっとそうでしょう。


 お姉さんの実葉さんや、梅酒を持って来てくれた檜谷さんのお嬢さんもいずれ何かの物語に登場するかも知れません。


 この物語は、「元日の一日で完結する、5000字くらいのものを書こう」と思って書き始めたものです。

 それが長くなってしまったので、聖歌の一節のお話でもありますし、去年のクリスマスイブからの連載にして、元日に完結するようにしました。

 昨日『庚申こうしんち』が完結して、「2023年最後に完結した物語」になりましたが:

https://kakuyomu.jp/works/16817330664767301464

それに続いて、この物語は2024年に最初に完結する物語となります。


 それでは、今年が、みなさまにとりまして、また、地上のすべての人にとりまして、幸いな一年になりますように!


 2024年1月1日

 清瀬 六朗

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in terra pax ― 新春 清瀬 六朗 @r_kiyose

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