ぼくらは群青を探している

弁護士の三国英凜は、刑事弁護の電話をきっかけに高校時代を思い出し、古い週刊誌の記事を読み返す。そこには、かつて英凜が居場所にしていた“群青”のリーダーだった桜井昴夜が人を殺したことが書かれていた。

空気を読めない、表情に乏しい、他人の気持ちが分からない──そう指摘された英凜はある障害を疑われ、“療養”と称され田舎にある祖母の家で暮らしていた。2006年、高校生となった英凜は、祖母の通院に配慮して灰桜高校に進学し、その学力に見合わぬ不良クラスの一員となったことをきっかけに、同じく新入生・桜井昴夜と雲雀侑生と仲良くなり、灰桜高校にいる不良達“群青”に目をつけられ、他校の不良達とのトラブルに巻き込まれ──優等生だった英凜は“群青”の仲間入りをした。今はもうない群青の昔話。